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「Wikipedia」の創設者で、米WikiaのCEOも務めるJimmy Wales氏
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各業界を代表するベンチャー企業の経営者が参加するカンファレンス「TOKYO起業家サミット 大挑戦者祭2007」が11日、東京都内で開催された。開会時には、オンライン百科事典「Wikipedia」の創設者で、Wikiサイトのホスティングサービスを手がける米WikiaのCEOを務めるJimmy Wales氏が登場。司会者からの質問に答え、Wikiaが開発中の検索エンジンの概要などを語った。質疑応答のやりとりは以下の通り。
――Wikipediaは、世界で何カ国語が展開され、何本の記事が投稿されているのか?
Wales氏:現在125言語で展開している。記事の投稿者は何千人もいるが、アクティブな投稿者は2,000~3,000人くらい。現在、記事は500万件以上登録されており、そのうち英語の記事数は150万件で全体の3分の1弱。日本では33万件程度。
―― 一般ユーザーが投稿する百科事典のWikipediaは、従来型の編集者が手がける百科事典と比べると信頼性が落ちると言われるが。
Wales氏:確かに従来型の百科事典と比べると、信頼性のレベルは違う。しかし、Wikipediaは、内容が常にアップデートされ、いろいろな人が参加できることが強み。我々としては、信頼性を高める努力を続けている。
――Wikipediaは非営利で運営されているが、今後はビジネスとして展開するのか?
Wales氏:Wikipediaは現在、非営利団体のWikimedia財団が管理している。このミッションというのは、「情報赤十字」というようなかたちのチャリティを主眼としており、今後も非営利のまま続ける。ただし、Wikiaの収益については、Wikimedia財団に寄付したい。
――Wikiaが開発している検索エンジンは大変画期的だと聞いているが、そのコンセプトは?
Wales氏:現在ある検索エンジンよりも、もっと透明性が高く、公共性のあるものを目指している。そういう意味から、我々は検索エンジンのアルゴリズムも公開しているし、フリーソフトとして誰でも改善できるようにしている。そうすることで、もっといろんなことができると思う。
――Wikiaは、Web 3.0と言えるのでしょうか?
Wales氏:それはわかりません(笑)。まだ、我々はWeb 2.0の段階だと思う。どなたかに、今後、WikiaがWeb 3.0に到達したか判断してもらいたい。
――最後に会場に来ている起業家の方々にメッセージをお願いします。
Wales氏:例えば、人を手助けしたいといったようなかたちで生まれたシンプルなアイディアがあったとする。それを発展させるためには、柔軟性に富んだかたちで、かつ思いやりを持ってアイディアを発展させてれば、必ず成功につながると思う。
関連情報
■URL
TOKYO起業家サミット 大挑戦者祭2007
http://www.dreamgate.gr.jp/summit/
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( 増田 覚 )
2007/03/12 12:47
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