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デジタル社会の未来を、3カ国の子供たちとネットの父らが語る


司会を務めた砂原秀樹氏(右)とパネリストの村井純氏(左)
 日本時間の9月15日正午から16日正午まで、24時間にわたるイベント「Mozilla 24〜Worldwide Continuous Event〜」が開催され、日本では国内3会場においてパネルディスカッションや子供向けのワークショップ、音楽ライブなどが行なわれた。ここでは、16日午前10時から慶應義塾大学三田キャンパスにおいて、イベント最後のセッションとして行なわれたパネルディスカッションの模様をお伝えする。

 このパネルディスカッションは「地球コンピュータ」と題され、パネリストとして慶應義塾常任理事兼慶應義塾大学環境情報学部教授の村井純氏に加え、ビデオ会議により米Googleの副社長兼チーフインターネットエバンジェリストであるVinton G. Cerf氏、米Mozilla CorporationのCEOであるMitchell Baker氏の3名が登場。日本、タイ、米国の子供たちが考えたデジタル社会の未来像などをめぐり意見を交換した。

 司会を務めた奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科教授でMozilla Japan理事の砂原秀樹氏は、パネルディスカッションの趣旨について、「インターネットが今や地球を覆う網になった。1つ1つのコンピュータが独立しているのではなく、地球を包む1個のコンピュータが出来た。そうなると、いろいろなことを根本から考え直していかなければならない時代に来た」と説明。今後10年、20年のインターネットの将来がどうなっていくかを、パネルディスカッションで考えていくとした。


脳が直接インターネットに接続〜子供たちが考えたデジタル社会の未来

バーチャル世界とリアル世界がつながる社会

人間がプリンを食べたいと思うと、バーチャル世界とリアル世界で何が起こるか
 パネルディスカッションの前半は「キッズデジタルサミット」と題して、日本、タイ、米国の3カ国の子供たちが前日のワークショップで考えたというデジタル社会の未来像を紹介した。日本とタイはテレビ会議で接続され、パネルディスカッション中に実際に子供たちによるプレゼンテーションが行なわれたほか、米国からは事前に撮影したプレゼンテーション映像が流された。

 日本の子供からはまず最初に、バーチャル世界とリアル世界がつながる社会のアイディアが紹介された。この世界では、人間の脳とインターネットがヘッドセットを介してつながっており、バーチャル世界で視覚、聴覚、触覚、味覚、臭覚を体感できるという。また、人間にはそれぞれ身の回りの世話をするロボットが付いており、例えば、バーチャルの世界でプリンを食べたいと思うと、リアル世界でロボットがプリンを食べ、人間に栄養をチューブで送る。これにより、人間はバーチャル世界であたかもプリンを食べているような体験ができるとしている。

 未来の学校像を考えたというプレゼンテーションでは、先生と生徒をつなぐ「データヘルメット」や、学校の外の世界を教室に再現する「3Dバーチャルアクション」などを紹介。データヘルメットでは、テストをテレパシーで送るため、紙が不要で環境にいいことや、テストで間違ったところをデータで残しておき復習できるといったメリットが説明された。

 このほか、情報技術やコミュニケーション技術だけでなく、砂や水を燃料とした「お手伝いロボット」、空気を燃料として走る未来の乗り物、ゴミを燃料として二酸化炭素を吸って酸素を出す「風力バイク」など、環境面の課題に取り組んだアイディアもあった。

 米国からは、ペット型のコンピュータなどが紹介された。現在のコンピュータのような姿ではなく、「もっとかわいらしく、やわらかく、自分の肩に乗せることができる」ぬいぐるみのような形になり、このペットからいろいろな授業を受けることができるという。一方、タイからは、太陽エネルギーなどによりエネルギーを節約する未来の家や、エネルギーを消費しない、あるいは少ないエネルギーで走ることができる未来の自動車などのアイディアが紹介された。


米国の子供が考えた未来のコンピュータ タイの子供が考えた未来の情報機器

インターネット技術の進化で“ワープ”もすでに実現済み?

テレビ会議により参加したVinton G. Cerf氏(左上)とMitchell Baker氏(右上)
 子供たちのプレゼンテーションがひと通り終わると、村井氏は第一印象を「ショックを受けた」と表現した。「世界の子供たちは、私がこれから10年以上もかけて取り組もうとしてしていたリサーチのテーマをもう考えていた」。すなわり、子供たちの多くがコミュニケーションをテーマにしていたことや、環境や高齢化社会、移動の手段など、今後の課題をすべてカバーしていることがショックの原因だという。「彼らは本当の意味でインターネットが基盤となっているテクノロジーを理解している。そして、自分たちが住んでいるリアル世界についてもよく理解している。バーチャル世界とリアル世界のつながりという点が、現時点のインターネットのターニングポイントとなっていると思う」(村井氏)。

 Baker氏は、バーチャル世界とリアル世界が統合される社会や、環境がきちんと維持される世界が示されたことに対して、「子供たちがそういう世界を作っていくのだと思う」と述べた上で、Mozillaの役割についても言及した。Baker氏によれば、Mozillaの役割とは「いろいろな人たちに、どんどん参加してもらうこと」だという。今回プレゼンテーションを行なった子供たちが若者になり、さらに彼らの子供たちも生まれていく中で、彼らのアイディアや発明品がコミュニティの中で公開され、情報が交換される環境を作るのがMozillaの役割だとした。

 “インターネットの父”とも呼ばれるCerf氏からは、「彼らのアイディアは、インターネットがこれから進もうとしている、まさにその方向に進んでいる」とのコメントも飛び出した。Cerf氏はまた、将来のコンピュータやインターネットの役割について、「私がまず思うのは、コンピュータがなくなるということ」だとも述べた。これは、コンピュータの存在を我々が意識しないような状態になるためだ。例えば、子供たちのプレゼンテーションの中で脳に直接接続するといったアイディアがあったことに触れ、「相手の言ったことを自動的に翻訳して直接脳に伝えてくれる。こういったこともこれから可能になってくると思う」とした。

 さらにCerf氏は、バーチャル世界とリアル世界がつながることに関して、「Second Life」を引き合いに出した上で、「これからはバーチャル世界とリアル世界が交差してくる場面が出てくると思う」と指摘。これに対して村井氏は、「インターネットは今までバーチャルな空間として見られてきたが、リアル空間がバーチャル空間と直接接続されるようになってきた。Second Lifeは、そういうアプローチの始まりだと思う」とコメントした。

 村井氏はまた、“ワープ”という移動手段について言及していたプレゼンテーションがあった点に関連して、このパネルディスカッションにおいてタイや米国とテレビ会議でつながり、あたかも同じ部屋にいるように複数の画面を通じて相互コミュニケーションできていることを指し、「空間をつなげることができる、一種のワープのようなものを感じる」とコメント。このように子供たちが想像している世界を実現してくれているのも、実はインターネットやコンピュータではないかと強調した。


関連情報

URL
  Mozilla 24〜Worldwide Continuous Event〜
  http://www.mozilla24.com/

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( 永沢 茂 )
2007/09/18 11:14

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