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Einyを利用した実験サービス「D-Stream」のサイト
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「CEATEC JAPAN 2007」の展示会場では、ブラザー工業がP2P技術を応用したコンテンツ配信システム「Einy(アイニー)」の展示を行なっている。
Einyは、P2P技術によりユーザー間でネットワークを構成し、音楽や映像コンテンツの配信に利用するシステム。ストリーミング放送用の「Einy Broadcast」と、オンデマンド配信用の「Einy On-Demand」の2種類のシステムが用意されている。ストリーミング配信に用いた場合には、ネットワークを自律的に再構成していくことで切断や遅延を抑え、ユーザーのツリー構造が20段の場合で100万ユーザーの同時視聴が可能となるなど、高価なサーバーマシンを用いずに低コストでの配信が可能としている。
Einyのネットワークにコンテンツを投入できるのは専用サーバーのみとなっており、ユーザー管理やコンテンツ管理も集中管理が可能。コンテンツの削除やネットワークに参加する際の認証機能、コンテンツ視聴時の認証機能などを提供することで、コンテンツの不正流通を防ぐ。また、オンデマンド配信の場合には、コンテンツの断片をユーザー間で共有する形となるが、各PCにはコンテンツの一部のみしか残らない形となっており、不正な利用を防止する。
ブラザー工業では、1986年に開発したPCソフトの自動販売機「ソフトベンダーTAKERU」からネットワークを通じたコンテンツ配信に取り組んでおり、これが通信カラオケ「JOYSOUND」の事業などにつながっているが、近年では配信するコンテンツの大容量化が進んでおり、配信コストを抑える目的でP2P技術を用いた配信システムを開発したと説明。また、ブラザー工業はISPやコンテンツ企業などにより設立された「P2Pネットワーク実験協議会」にも参加しており、今秋開始されるP2P配信実験などにも協力していくとしている。
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P2Pネットワークによりストリーミング放送を実現する「Einy Broadcast」
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P2Pネットワークによりオンデマンド配信を実現する「Einy On-Demand」
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関連情報
■URL
CEATEC JAPAN 2007
http://www.ceatec.com/
Einy
http://www.brother.co.jp/einy/
D-Stream
http://www1.d-stream.tv/
■関連記事
・ FMMC、「P2Pネットワーク実験協議会」を発足(2007/08/20)
( 三柳英樹 )
2007/10/03 20:29
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