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イベントレポート
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NTT和田会長、NGNへの取り組みの意義と商用化サービスメニューなどを説明


 12月5日~7日の3日間、東京ビッグサイトにおいてNECグループと関係企業によるITネットワークのフォーラム・展示会「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2007」が開催されている。5日午前には、NTTの和田紀夫取締役会長が「NGNが目指すもの」と題した基調講演を行ない、NTTグループがNGNに取り組む意義と狙いについて語った。


IT化による「影の部分」を克服し、NGNによる新たなサービスを

NTTの和田紀夫取締役会長
 和田氏は、ICTがもたらす社会の構造変化として、放送と通信や固定系通信と移動系通信などのサービスの融合、Web 2.0に代表されるネットビジネスの新たな潮流、ビジネスや課題のグローバル化の3点を挙げ、「今はまさに時間・距離・知識偏在の壁を越える大変革期にある」と説明。また、日本においてはFTTHや3G携帯電話が急速に普及するとともに、インターネットトラフィックも急増しており、これらを支えるインフラとしての新たなネットワークへの取り組みは急務となっていると述べた。

 こうしたICTの普及は、コミュニケーション手段の多様化、多種多様な娯楽機会の提供、雇用・新規産業の創出など新たな価値を創造するものだと説明。一方、「ICTには光の部分と影の部分がある」として、学校裏サイトや自殺サイト、情報漏洩、サイバーテロなど、ICTの普及に伴ってリスクも顕在化してきており、「こうした『影の部分』を克服しなければ『光の部分』も消えてしまう」として、NGNは安全・安心の面でも取り組みを進めていくとした。

 NGNについては、QoS(品質確保)、回線認証によるセキュリティ、通信回線や通信装置の冗長化などによる信頼性、他社サービスも乗り入れ可能なオープンなインターフェイスという4点の特徴を列挙。現在のインターネットで提供しているベストエフォートの回線サービスも提供しつつ、さらに高品質な回線サービスも同時に提供するものだとした。

 NGNの商用化スケジュールについては、2008年3月から東京・大阪の一部エリアで商用サービスを開始し、2008年度中には他の政令指定都市や県庁所在地級都市に展開。順次エリアを拡大し、2010年度末までには現行の光サービス提供エリア全域に拡大すると説明した。

 NGNのサービス内容としては、家庭向けには最大100Mbpsのインターネット接続サービスなど、従来のFTTHサービスと同内容のサービスを維持しつつ、高音質のひかり電話、高画質のテレビ電話、QoSを利用した映像配信サービスなど、NGNの特徴を活かしたサービスを付加する形で提供していくと説明。QoSを活用したサービスメニューを中心として、さらに多様なサービスを提供していくとした。また、料金面では、現行と同等なサービスについては同程度の料金、高品質なIP電話などの新たなサービスについても、ユーザーが利用しやすい料金体系にしたいと語った。

 和田氏はこうしたNGNへの取り組みはNTTだけではできるものではないとして、NGNの上でサービスを開発・提供する企業が参加する「次世代サービス共創フォーラム(仮称)」を立ち上げるとした。NGNに関する情報・開発環境の提供、インキュベーション事業、広報活動などを通じて、NGNのサービスを手掛ける企業を支援していくと説明。NGNのキーワードは「オープン」と「コラボレーション」だとして、他業種・異業種の企業とともにNGNによる新たなサービスと付加価値を創造していきたいと語り、講演を締めくくった。


ICTの普及による「光の部分」 ICTの普及による「影の部分」

NGNの商用化スケジュール NGN商用化開始時のサービス

関連情報

URL
  C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2007
  http://www.uf-iexpo.com/


( 三柳英樹 )
2007/12/05 18:40

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