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Googleのマット・カッツ氏
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サンフランシスコで開催された「Web 2.0 Expo」で25日、Googleが「スパムについて知っていること」というテーマで基調講演を行なった。同社のWebスパムチームでフィルタリングサービス「Safe Search」を手がけるマット・カッツ氏が、Webスパム対策のノウハウを示し、Webサイト運営者に「スパマーを苛立たせるべき」と呼びかけた。
カッツ氏によればWebスパムとは、Webページに不正な細工を施すことで、検索結果の順位を本来よりも上位に表示させる行為。具体的には、Webページの内容とは無関係のキーワードを埋め込むことで、検索エンジン経由でユーザーがアクセスするのを待つことなどが挙げられるという。
こうしたWebスパムが発生する背景としては、金銭獲得が目的であると指摘。その上でカッツ氏は「Webスパムの対策方法はある」と語り、いくつかのヒントを示した。
● 評価システムとCAPTCHAシステムの導入を提案
まず挙げたのは、「評価システムを信じること」。これはAmazonやeBayで導入されているもので、ユーザーからの評価やその評価の信頼度などを示す仕組みだ。GoogleでもWebページの重要度を示す「PageRank」を提供しているが、これらは「現実の世界からのフィードバックであり、格付けでもある」。
続いて提案したのは、「CAPTCHAシステムを導入すること」。CAPCTHAは、コンピュータによる自動アカウント取得を防ぐために、ゆがんだ文字列を表示し、これを入力させる認証方式だ。この認証方式はブログのコメントスパムなどを防ぐために使われるが、カッツ氏のブログでは『2+2は?』といった簡単な計算の結果を入力させているという。「個人的には、複数画像の中からネコの画像を指定させる『ネコ(Kitten)認証』が気に入っている」。
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AmazonやeBayなどで導入されている「評価システム」
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複数画像の中からネコの画像を指定させる「ネコ認証」
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● スパマーも人間、適切な対応で苛立たせれば狙われなくなる?
このような対策方法を示したカッツ氏だが、「残念なことにスパムは恐ろしくなりつつある」と述べ、Webページからマルウェアをインストールさせる事例が増えていると指摘。これを防ぐ方法としては、「最新の方法ではなく、Web 2.0 Expoというイベントに似つかわしくないかもしれないが」、ソフトウェアに最新のパッチを適用し、クロスサイトスクリプティングの脆弱性に注意することなどが重要であるとした。
「スパマーも人間である」。講演中にこの言葉を何度も繰り返したカッツ氏は、サイト運営者が適切な対策を取ることで、スパマーを苛立たせるべきと訴えた。「スパマーにもっと多くの時間と労力を費やさせれば、彼らの血圧が上がり、スパム対策を取っていない人を標的にするようになるだろう」。
関連情報
■URL
Web 2.0 Expo San Francisco 2008(英文)
http://en.oreilly.com/webexsf2008/
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( 増田 覚 )
2008/04/28 14:21
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