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「光のじゅうたん」でトラフィックを解決、村井純教授が基調講演


慶應義塾大学環境情報学部の村井純教授
 展示会初日となる11日に開かれた基調講演では、慶應義塾大学環境情報学部の村井純教授が登壇。「地球とインターネット~人と社会と科学技術のイノベーション~」というテーマで講演を行なった。

 村井氏は、伝送、多重化、交換、経路制御などのネットワーク機能を、光技術だけで行なう「フォトニックネットワーク」について、「光のじゅうたん」という言葉を使って紹介。Interopの会場では、「光のじゅうたん」の進化を前提とした展示に気づくことも多いだろうと話した。

 フォトニックネットワークについて村井氏は、港区などの一部地域では実現に近い状況にあると指摘。フォトニックネットワークを最大点活用すれば、首都圏で増加するトラフィックを効果的に処理できるとの見方を示した。

 「光のじゅうたんが全体に敷かれれば、データセンターを分散することも可能、IXの考え方も変わってくる。テレビやセンサー経由など、今後増えることが予想されるトラフィックも効率よくさばける」。

 また、近年の国内トラフィックの推移を示すデータを紹介し、家庭内のトラフィックが昼夜に差があることを指摘。この事実は、「P2Pファイル交換ソフトがトラフィックの大半を使っている」という仮説をくつがえすと強調した。

 「P2Pサーバーは24時間稼働するが、データを見るとトラフィックには昼夜で波がある。これは人間が使っているということを示しているが、逆に考えると怖い。今後、人間がどんな目的で使い始めるかによって、ネットワークマネジメントの考え方が全く変わってくるからだ」。

 村井氏はさらに、「家庭内でのインターネット機器の主人公が変わってきた」ため、トラフィックのピークが深夜からゴールデンタイムに移行しつつあると指摘。特に近年は光ファイバの普及により、テレビ経由でインターネットに接続するケースが増えていると話した。

 「オーブンレンジ内に付けられたカメラが中の様子をテレビに転送したり、ドアホンの映像がテレビにポップアップしたりする。テレビ周辺ではストレージを大量に使うことを考えても、テレビは情報機器の主人公としての役割を担いつつある」。

 最後に村井氏は、日本は他国に比べて、「光のじゅうたん」のコンセプトが浸透していると指摘。地球全体のための新しいインターネット空間を作る役割を考えていきたいと、会場に呼びかけた。


フォトニックネットワークの進化について 過去3年間のトラフィック推移(横軸は曜日と時間帯、縦軸はトラフィック量)

関連情報

URL
  Interop Tokyo 2008
  http://www.interop.jp/

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( 増田 覚 )
2008/06/11 16:44

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