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東京ビッグサイトで開催される「第15回東京国際ブックフェア」
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東京・有明の東京ビッグサイトで10日、世界30カ国から770社が出展する書籍の国際見本市「第15回東京国際ブックフェア」が開幕した。開催期間は7月10日~13日で、一般公開日は12日と13日。一般公開日にはさまざまな書籍が割引価格で販売されるほか、サイン会・トークショーなどの各種イベントも行われる。入場料は1200円だが、Webからの登録により無料の招待券を入手できる。
会場では同時開催のイベントとして、「デジタルパブリッシングフェア」「自然科学書フェア」など、6つの展示会が開かれている。デジタルパブリッシングフェアは、出版社などのコンテンツホルダーを対象とした展示会で、デジタルコンテンツの配信・制作に関する技術やサービスなどが紹介されている。
● 実際の書籍をWebマガジンとして配信、読者の行動分析も可能に
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「カフェマガ」の利用者画面。ネットカフェなどで実際の雑誌をWebマガジンとして閲覧できる
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廣済堂のブースでは、デジタル化した雑誌をネットカフェなどの店舗に配信するサービス「カフェマガ」を展示している。
カフェマガは、出版社からの提供を受けた市販の雑誌50~100タイトルをデジタル化し、ネットカフェなどの店舗に限定する形でWebマガジンとして配信するサービス。現在は実証実験の段階だが、既に27社から56タイトルの提供を受け、全国のネットカフェ186店舗やホテルなどに配信を行っている。
雑誌を提供する出版社にとってのメリットとしては、Webマガジンを読者がどのように読んでいるかを分析できる「Webマガジン・アナライザ」サービスが提供される。各ページごとのページビューや滞在時間のほか、ページのどの場所が拡大表示されたかといったデータが表示されるため、読者がどこを読み、どこに注目しているのかを解析できるという。
また、雑誌のバックナンバー購入やECサイトとの連携なども可能で、廣済堂では今後、実証実験を踏まえて商用化サービスを目指すとしている。
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出版社向けには、ページのどの部分が拡大表示されたかなどのデータが提供される
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各ページの閲覧数、閲覧時間なども参照可能
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● 書籍と3DCGをリアルタイム合成する「拡張現実」技術
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紙ではただの地図だが、カメラで捉えたPCの画面上では3DCGが合成される。2台のカメラが見えるのはデモの都合上で、動作はカメラ1台で可能
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大日本印刷のブースでは、実際の書籍と3DCGを合成する技術が紹介されている。この技術は、書籍をUSBカメラで読み取ると、リアルタイムで3DCGが合成されてPCの画面上に表示されるというもの。
書籍には2次元のコードが印刷されており、これを読み取ることで書籍の位置や傾きなどが計算され、画面上では書籍と3DCGが一体化して動く。こうした技術はAugmented Reality(拡張現実)と呼ばれている。会場ではドイツのmetaioが開発した技術を利用し、地図や絵本の上に3DCGが表示されるデモを紹介している。
ドイツでは、この技術を利用した地図帳が、Wissen Mediaにより10月に出版されるという。大日本印刷ではmetaioと業務提携を行っており、日本での展開に向けてインタラクティブコンテンツの制作サービスを開始している。
関連情報
■URL
東京国際ブックフェア
http://www.bookfair.jp/
デジタルパブリッシングフェア2008
http://www.digi-fair.jp/
Webマガジン配信サービス「カフェマガ」
http://pr01.knmagazine.com/
大日本印刷
http://www.dnp.co.jp/
( 三柳英樹 )
2008/07/10 17:47
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