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中国最大の検索ポータル「百度」日本語版を検証する


百度日本版がついに登場。中国版との違いは?

百度 日本語版
http://www.baidu.jp/
 百度が日本で3月20日にサービスを開始した( http://www.baidu.jp/ )。2006年末に同社が日本でサービスを開始すると発表した時に、中国メディアに対して3月末にはサービスを開始すると言っていたので、予告通りのサービスインと言えるだろう。

 トップのデザインは、中国の百度自体、当初Googleからの技術供与を受けていた影響か、Googleに似たシンプルなデザインだ。立ち上がったばかりの日本の百度のサービスは「ウェブ検索」と「画像検索」だけであり、中国版にある「MP3検索」や「ニュース」などは現在のところ提供されていない。中国の百度と比べると、提供サービスがずっと少ないために、さらにシンプルなデザインとなっている。

 ちなみに、サービス開始前に百度日本のURL( http://www.baidu.jp/ )で表示されていた内容は同社クローラ「BaiduSpider」のトラフィックについての謝罪であり、その問題での謝罪前に該URLで表示されていたものは、中国語簡体字で書かれた東京支社のサーバー立ち上げと運用要員の募集と、北京本社での日本百度の開発要員の募集であった。中国人だけを募集していたためか、キャッシュ表示時に表示される注意文や「百度について」内の文章などにおいて少々間違った日本語の表現も見受けられる。サービスが開始された現在、「百度について」内の「人材募集」のページでは新たに日本人のスタッフ募集もかけており、これによって将来的に日本語が改善すればと思う。

 「百度について」で読める記事はGoogle日本と比べても、中国版百度と比べてもまだまだ少ない。もちろん立ち上がったばかりなのでこれから本格的に作るのだろう。中国語版では、百度入門、百度の各サービスの使い方、決算報告、広告出稿についてなどがあるので、日本語版についても同じコンセプトのコンテンツになることを期待したい。


バラエティ豊かなサービスを反映、内容豊富な中国語版「百度について」 テキスト検索と画像検索だけのベータサービスとあって本家中国版に比べるとまだ寂しい日本語版「百度について」

 さて、サービスの使い勝手はどうだろうか。細かい検索指定ができる「検索オプション」を見てみると、中国版の「繁体字簡体字のどちらを検索対象にするか」と「どの地域のサイト(例:北京市、広東省など)に絞って検索するか」の設定が日本版にはなく、反対に「検索結果を新しいウィンドウに開くか、検索結果を今のウィンドウに開くか」という設定は日本版のみ存在する。

 中国のみで提供されているサービスのうち、中国で提供されている地域別に絞り込み検索する機能は、中国の地域とIPアドレスが対応している(IPアドレスから発信地域がわかる)ことを利用したサービスだ。したがって、日本では同じサービスは提供できない。また、繁体字簡体字別での検索についても、日本版では採用されなくて当然だろう。このほか、中国版では検索結果をクリックすると新しいウィンドウが開くが、これは中国のWebサイトでは標準的な作法でありそれに準拠している形だ。日本版では既存のウインドウで検索結果を表示することを標準設定にしている(別ウィンドウで開くオプション設定も可能)。日本のネットの習慣を勉強していることが伺える点は評価できる。

 百度画像検索では、大・中・小の画像の大きさでの3段階の絞込みに加え、壁紙サイズをラジオボタンで選択可能だ。「壁紙」を選んで検索すると、検索結果から、さらに800×600、1,024×768、1,280×960、1,600×1,200の4つのサイズから選択して絞り込みできる。ちなみに、中国百度でも同様に画像検索には大・中・小・壁紙の4つの検索オプションがある。


百度日本語版の検索オプション。日付、サイト指定、URLのみを対象とするなど、必要な機能はほぼカバーしている 「子猫」をキーワードに画像検索してみた画面。画像のサイズの大小や、壁紙サイズに合うものなどを検索可能だ

キャッシュを表示させた画面。日本語表現としてはやや不自然な言い回しが多少見られる 表示設定画面で、検索結果を別ウィンドウで開くかどうか選択可能(デフォルトは同じウィンドウで表示)。中国では別ウィンドウで開くのが普通なので、日本の事情に合わせて用意された機能だ

百度の実力をチェック〜GoogleおよびYahoo!と比較して

 次に、百度の実力を非常にざっくりとではあるが、チェックしてみた。CEOのRobin li(李彦宏)氏のいう「我々の非英語言語検索によって証明された強さ(関連記事:http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/12/05/14130.html)」はあるのだろうか。

 Google日本( http://www.google.co.jp/ )とYahoo!Japan( http://www.yahoo.co.jp/ )と百度日本語版( http://www.baidu.jp/ )で、同じキーワードでいくつか検索してみた。その結果をまとめたのが以下の表だ。

検索ワード Google Yahoo! JAPAN 百度
mixi 2,220万件
0.03秒
2,420万件
0.01秒
1,000万件
0.001秒
ブログ 26,800万件
0.04秒
44,200万件
0.01秒
10,000万件
0.003秒
2ちゃんねる 153万件
0.04秒
4,690万件
0.02秒
239万件
0.001秒
楽天 特価 170万件
0.09秒
699万件
0.61秒
169万件
0.119秒
東京駅 140万件
0.13秒
423万件
0.01秒
254万件
0.701秒
中国 89,600万件
0.06秒
94,300万件
0.01秒
1,810万件
0.001秒
百度 4,630万件
0.03秒
4,940万件
0.01秒
24.5万件
0.001秒
毛沢東 70.3万件
0.07秒
63.7万件
0.01秒
58.7万件
0.003秒
天安門事件 105万件
0.05秒
44.9万件
0.02秒
14.2万件
0.001秒
反日デモ 32.2万件
0.21秒
30.9万件
0.02秒
45.5万件
0.006秒
上海 41,400万件
0.14秒
388万件
0.02秒
853万件
0.001秒
事件 17,700万件
0.07秒
20,800万件
0.02秒
1,470万件
0.001秒
検索ワード Google Yahoo! JAPAN 百度


 わずかなサンプルなのでやや乱暴なまとめにはなるが、検索した上記キーワードに関しては、3つの検索サイトのうち、検索件数ではYahooがGoogleおよび百度を上回った。一般的なキーワードではおおむね、Googleと百度を比べてもまだ大きな開きがあり、ベータサービスである百度の今後の件数の充実に期待したいところだ。

 個別のキーワードについて見てみると、「mixi」や「ブログ」ではGoogleのほうが多く、「2ちゃんねる」や「東京駅」など一部のキーワードについては、百度が検索結果件数でGoogleを上回った。筆者が不可思議に思ったのは、検索キーを「百度」「中国」「上海」などとした場合で、百度の検索結果がYahooやGoogleよりもだいぶ少ないのである。中国関連の検索が制限されているのかと思ったが、「反日デモ」の検索件数はGoogleやYahooよりも百度の方が多いので、早合点してはならない。

 中国語が読める読者であればうすうす気づいているかもしれないが、「百度」「中国」「上海」に共通するのは、日本語表記の漢字と中国語簡体字表記での漢字が同じであることだ。「事件」「北京」「表」「我」など他の単語で試してみても同様の傾向が見れることから、おそらくは中国語簡体字と日本語漢字が同じ字の組み合わせが検索ワードとなった場合、検索結果はだいぶ少なくなるのではないだろうか。

 だからこそ日本語漢字と中国語簡体字での表記の異なる「東京駅」「毛沢東」「反日デモ」においては、百度の検索結果は少なくはない結果になっているのではないかと筆者は考えた(もちろん推論であって確証などはない)。もしも筆者の推論が当たっているとしたらの話だが、「ダブルバイト圏だから日本語検索でも強いはずが、中国語と同じダブルバイトでの検索結果が少なくなってしまった」というのでは少々悲しい。

 検索速度は検索結果数がほぼ同じ「楽天 特価」や「毛沢東」で比較してみると、その時々によってGoogleのほうが早かったり、百度のほうが早かったりと、一概にどちらが速いとは言えない。現在のところ、秒単位で時間がかかるようなことはなく、検索結果待ちでにストレスを感じる心配はないと言えるだろう。


中国のWebサイトでは頻繁に見かける「事件」を入力すると意外に少ない検索結果件数が表示される 「毛沢東」での検索結果件数は、GoogleやYahoo!とほぼ同じ。テキスト広告がまだないため、検索結果画面はすっきりしていて見やすい

 蛇足となるが、検索結果時に上に表示される「百度検索_(画像検索の場合は「百度画像検索_」)」は中国の百度と同じではあるが、うっとうしいと感じる人もいるのではないかと思った。日本はヘビーユーザーを中心に多種多様なタブブラウザが浸透しており、ブラウザにより、タブに表示される文字数が相当に限られるものもある。ブラウザ市場では圧倒的なシェアを誇るInternet Explorerでも7.0以後はタブ機能を実装しており、細かい点だが検討して欲しいところだ。

 ちなみに、ちょっと意地が悪いが、中国では検索できない、ないし検索結果が表示されないNGワードは百度日本で検索結果が表示されるのかチェックしてみた。結果としては「天安門事件」や「法輪功」で検索してみるとGoogleに似た検索結果が表示された。しかし、「大紀元」で検索してみると、Googleと百度で検索結果が異なり、大紀元のトップページへのリンクが検索結果に表示されないなどの違いも見受けられた。

 やや辛口にあれこれ書いたが、百度は立ち上がったばかり。筆者が以前本誌で紹介したように( http://internet.watch.impress.co.jp/cda/special/2006/12/25/14350.html )、百度の中国版では実にたくさんのサービスと、検索オプションを提供している。将来日本版百度でも、中国版と同様かそれに近い種類のサービスを享受できるようになれば、百度は無視できない存在となるだろう。


URL
  百度 日本語版
  http://www.baidu.jp/

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( 山谷剛史 )
2007/03/27 15:54

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