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第187回

「地理院地図3D」がさらに機能強化、空中写真が表示可能に ほか

「地理院地図3D」がさらに機能強化、空中写真が表示可能に

 3月19日に、3Dプリンター用データをダウンロードできる3D地図サービス「地理院地図3D」を提供開始した国土地理院だが、その後も少しずつ機能強化を続けている。4月24日には、空中写真を立体地図に表示する機能を追加し、地形図と空中写真で表示できる画像を選択できるようになった。VRMLファイルをダウンロードして3Dプリンターでカラー出力すれば、空中写真の画像を利用した3D地図も作成できる。もちろん地形図と同じように高さ方向の倍率を変えて強調することも可能だ。3Dプリンターに出力しなくても、ウェブブラウザー上でさまざまな角度から眺めるだけで楽しいので、さまざまなエリアの3D地図データを作成してみてはいかがだろうか。

地理院地図3D
地図と空中写真を選択可能
空中写真を使用した3D地図データ

フルカラー3D地図のプリントサービス続々登場、OSM利用の地図も作成可能に

 国土地理院が3D地図サービス「地理院地図3D」を公開したことにより、3Dプリンターを使った立体地形模型の作成に興味を持った人もいると思うが、フルカラー立体地図の3Dプリントを気軽に試せるサービスが登場した。株式会社カブクが提供する3D地図作成サービス「rinkakでこぼこ地図」だ。同サービスでは地理院地図およびオープンストリートマップ(OSM)を利用した3D地図データをダウンロードできるほか、それらのデータをもとに3Dプリントを注文することもできる。

 ブラウザー上で3Dデータ化したいエリアを指定し、地図の種類を選んで右上の山マークをクリックするだけで、簡単に3Dデータを作成できる。高さ方向の強調も可能で、左上のスライダーを動かすことで調節できる。作成したデータはFacebookで共有することにより、3Dデータを無料でダウンロード可能となる。ファイル形式は3Dプリンターでカラー出力できるWRL(VRML2.0)ファイルだ。

「rinkakでこぼこ地図」
オープンストリートマップのタイル画像を利用可能
地理院地図の画像も利用できる

 rinkakのサイトからフルカラーの3Dプリントを注文する場合、サイズと価格は5cm四方で4000円、7cm四方で7000円、10cm四方で1万2000円、15cm四方で2万5000円となる(いずれも税込)。地理院地図3Dでもカラー出力用のVRMLファイルをダウンロードすることは可能だが、利用できる画像は地理院地図と空中写真だけ。rinkakの場合はOSMのデータを利用できる点が魅力で、単色用の3Dプリンターを持っている人が「カラー出力も楽しんでみたい」という時にも最適だろう。

3Dプリントを発注できる

 フルカラー立体地図の3Dプリントサービスとしてはこのほかにも、ビジネス向けの3D地図を制作する株式会社トラストシステムが「3Dプリンター立体地図受注サービス」を開始している。こちらもエリアを指定することにより、フルカラー3Dプリンターによる立体地図模型を発注できる。地図データも国土地理院だけでなく、北海道地図の「GISMAP」やトラストシステムの「標高段彩図」、衛星写真など、複数の民間地図会社のデータを使用できる。価格は約6000円(税別)から。展示台や透明アクリルカバー、タイルプレートなどを付けることも可能なので、展示用や広告用の立体地形模型が欲しい場合には便利なサービスだ。

「3Dプリンター立体地図受注サービス」
さまざまな地図データから選択できる
完成イメージ

神戸市、津波浸水想定図を反映したハザードマップ「ココクル?」

 兵庫県神戸市は、南海トラフ巨大地震による津波を想定したスマートフォン向け防災ウェブサービス「ココクル?」を提供開始した。同サイトでは、兵庫県が2月に公開した津波浸水想定図を反映したハザードマップを見ることが可能で、GPSで現在地も確認できる。背景地図にはGoogle マップを利用している。想定される浸水深で色分けされているので、どのエリアがどの程度浸水するかがひと目でわかるようになっている。

 このほか、神戸を安心して楽しむために事前に知っておくべきポイントを5つにまとめた啓発情報機能も搭載している。内容は「もしも地震が起こったら」「“もしも”に備える情報防災」「“もしも”のときに身を守る」「“もしも”のときに避難する」「“もしも”帰宅困難者になったら」の5項目で、災害に遭った場合の行動や一時滞在施設の案内などを掲載している。

 さらに、災害時に電話回線がつながりにくくなった場合を想定して情報シェア機能も搭載しており、自分の状況や現在地をTwitterやFacebook、LINE、メールの4つの方法で知らせる機能を搭載している。

メニュー画面
ハザードマップ
地図の拡大・縮小が可能
“もしも”のときに取るべき行動をレクチャー

「避難所」を示す新たな地図記号が決定

 緊急避難場所や避難所を示す新たな地図記号が決まった。これは2013年に災害対策基本法の一部が改正されて、2014年4月から市町村において新たに避難所等を指定・更新することが定められたことを受けたもので、国土地理院は今後、内閣府の防災担当と共同で避難所等の位置情報を取得し、地理院地図や内閣府の総合防災情報システムなどで広く活用できるようにする。

 避難所や避難場所の記号は、以前からJISで規格化された記号が存在するが、地図記号は地図上での視認性を考慮して、JIS規格の避難所や広域避難場所の記号を簡略化したものとなっており、「緊急避難場所」「避難所」「避難所兼緊急避難場所」の3種類が用意される。

 さらに、これらの避難所の地図記号には、災害の種別を示す記号も付加される。災害種別の記号は、「洪水」および「一時的に大量の降雨が生じた場合において雨水を排水できないことによる浸水」を示す水色の記号と、「高潮」「地震」「津波」を示す青色の記号、「崖崩れ、土石流および地滑り」を示す茶色の記号、「地震」「大規模な火事」を示す赤い記号の4種類。このほか、火砕流や溶岩流などの火山現象については、特定の地域に限られるため、記号ではなくポップアップで文字表記となる。

 国土地理院は今後、これらの新しい地図記号について地理院地図だけでなく広く活用できるように取り組んでいくとコメントしている。

避難所等の地図記号

「GEOアクティビティフェスタ」のプレゼンター募集が開始

 地理空間情報をテーマにしたイベント「G空間EXPO」(2014年11月13〜15日開催)にて行われるコンテスト「Geoアクティビティフェスタ」のプレゼンターの募集が始まった。

 Geoアクティビティフェスタは、地理空間情報に関する独創的なアイデアやユニークな製品、画期的な技術について展示やプレゼンテーションを行う場を設けて、これらの利活用の促進を図ることを目的としたイベント。昨年は計28作品が出展した。

 応募対象者は個人・グループ・学生・プロ・アマを問わず、誰でも応募することが可能。既存のサービスや製品、完成途中のアイデア段階のものでも応募できる。募集期間は6月30日まで。作品選考の上、8月上旬にプレゼンターが決定される。

 国土地理院はこのほか、電子国土基本図などの国土地理院のデータを活用したGISソフトウェアおよびGISコンテンツの中から優れたものを表彰する「電子国土賞2014」も行う。

プレゼンターの募集告知

Google マップ上でバーチャルデモに参加できるアプリ「みんデモ」

 実際に多くの人を集めて街中でデモ行進するのではなく、デジタル地図上でバーチャルにデモ行進をするというユニークなアプリが登場した。株式会社CMサイトがリリースしたiPhoneアプリ「みんデモ」だ。

 みんデモは、Google マップ上で指定したコース上をデモ行進する“バーチャルデモ”アプリ。ユーザーの代わりにキャラクターたちがプラカードに書かれたコメントを主張しながら、地図上の指定したコース上を進む。デモのテーマは政治・経済からスポーツ、アイドル、アニメまでなんでもOK。すでに投稿されているデモ一覧を見ると、社会的なテーマもあれば趣味に関するものもあったりと、実に幅広いデモが投稿されている。

 ユーザーはTwitterアカウントでログインすることにより自分でデモを主催できるほか、ほかの人が作成したデモに参加することもできる。デモのコースは日本国内だけでなく国外でも設定可能だ。なお、このアプリは商業利用も可能で、商品やサービス、イベントなどの宣伝に活用できる。ただし、ヘイトスピーチ(憎悪表現)によるデモ行為は禁止となっている。

 バーチャルデモによる訴え掛けが果たして現実社会にどれほどの影響を及ぼすのかは未知数だが、今までにない試みとして注目される。

Twitterアカウントでログイン
デモのコース
デモ中の画面
デモの作成画面

片岡 義明

IT・家電・街歩きなどの分野で活動中のライター。特に地図や位置情報に関す ることを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから法 人向け地図ソリューション、紙地図、測位システム、ナビゲーションデバイス、 オープンデータなど幅広い地図関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「位置情報ビッグデータ」(共著)が発売中。