趣味のインターネット地図ウォッチ

第195回

国土地理院が優良な防災アプリ3点を選定 ほか

国土地理院が優良な防災アプリ3点を選定

 国土地理院は、災害時の避難誘導などを行うための優良な防災アプリ3点を選定した。今年4月に公募を開始し、6月末までに提出のあったものを対象に審査したものだ。今回の公募において最終的に審査対象となった防災アプリは計10点で、その中から以下の3点が選出された。

防災セーフティマップ(iOS)

 現在地周辺の防災施設を地図上で探せるアプリで、現在配布中のアプリでは収録情報が和歌山県海南市のものに限られている。それぞれの防災施設の違いを独特のアイコンで分かりやすく示している点がユニークで、現在地からの方向を示す際に大きな矢印が地図上に表示されるのも分かりやすい。背景地図もGoogle マップのほかに国土地理院の標準地図や単色地図、色別標高図などから選択可能で、オフラインでも使用できるように地図データを保存することもできる。

防災セーフティマップ
避難場所への方向が分かる

全国避難所ガイド Ver.5(iOS/Android、現在公開中のアプリはVer.4)

 現在地周辺の避難場所を簡単に探せるアプリ。起動時のメニュー画面において「現在地から探す」をタップすると地図上に最寄りの避難所をピンで表示する。地図だけでなくARでの表示も可能だ。ピンをタップすると詳細情報ページが表示されて、ナビゲーションの呼び出しやGoogleパーソンファインダーへの安否登録、カーナビゲーションとの連携(NaviConへの送信)などを行える。また、標高や住所、施設タイプ、種別などの細かい情報も取得できるほか、防災情報も表示できる。避難所情報だけでなく、安否情報や防災情報などを総合的にカバーするアプリとして注目される。

全国避難所ガイド
避難所や帰宅支援ステーションなどを地図上で確認できる
施設の種別ごとにピンが異なる
防災情報もカバー

家族向け安否確認サービス Familoca(iOS/Android)

 災害時に、家族など事前に登録した人の居場所を調べられる安否確認サービス専用アプリ。あらかじめグループや送信メールなどを設定しておくことにより、登録メンバーの現在地情報を定期的(送信間隔は15分/30分/45分/60分から選択可能)にサーバーに送信し、緊急地震速報が発表された際にメンバーの直近の位置情報が地震情報とともに自動的に通知される。これにより、電話やインターネット回線が混んでいてつながらないような場合にも、お互いの位置情報だけは把握することが可能となる。また、アプリの「安否送信」ボタンを押すことにより、登録メンバー全員に安否情報と位置情報を通知することもできる。送信者以外の位置情報は設定で非公開にすることも可能だ。このほか、定型文の登録機能や警報音を鳴らす機能も搭載している。

Familoca
設定画面

 このほかに審査の対象となったアプリとしては、平時は電子広告だが緊急地震速報が発令されると自動的に避難場所までの経路情報を提供する「避難誘導対応デジタルサイネージアプリ」や、家族や友達などのプライベートSNSと連動したアプリ「オクレンジャー」、AR技術を活用したアプリ「みたチョ」など多彩なアプリが揃っている。

 今回選定された防災アプリは、8月31日に行われる南海トラフ巨大地震対策中部ブロック協議会広域連携防災訓練(岐阜県総合防災訓練)の会場(岐阜県可児市)においてデモを行うほか、国土交通省(東京都千代田区)に8月25日〜9月5日に開設予定の1階展示コーナーにおいてパネル紹介を行う。また、国土地理院の「地図と測量の科学館」(茨城県つくば市)でも動画紹介やパネル展示を行う。

 さらに、応募のあったすべての防災アプリのうち、9月中旬時点で動作可能なものを対象に10月に第2回の審査委員会を行い、そこで選定した優良アプリを和歌山県海南市で11月に開催予定の防災訓練で、避難誘導実証実験を兼ねたデモなどを行う予定だ。

「地質図Navi」に新データ追加、全国の活断層の“活動確率地図”も収録

 行政独立法人産業技術総合研究所の地質調査総合センターが提供する地質情報閲覧システム「地質図Navi」に7月下旬、新たなデータが追加された。今回追加されたのは「構造図シリーズ」が14枚と、「日本油田・ガス田図シリーズ」が13枚。

 「地質図Navi」にアクセスし、左側の「地質図幅選択」メニューのツリーの「各種シリーズ」の下にある「構造図」および「日本油田・ガス田図」をクリックすると表示できる。なお、「地質図Navi」は地図に表示されている範囲に含まれる情報がメニューツリーの情報に反映される仕組みになっているので、日本全国の情報を一覧したい場合は「−」をクリックして縮尺を小さくしよう。

 「構造図シリーズ」としては、「伊豆半島活断層図(1/10万)」「信越地域活構造図(1/20万)」「糸魚川−静岡構造線活断層系ストリップマップ(1/10万)」など各地の活断層の構造図が用意されている。“ストリップマップ”とは細長い帯のような地図(短冊図)のことで、長大なエリアに存在する活断層の構造が描かれている。「糸魚川−静岡構造線活断層系」のほかには、「阿寺断層系(1/2.5万)」「柳ヶ瀬―養老断層系(1/10万)」「花折断層(1/2.5万)」などのストリップマップを見られる。

 また、構造図シリーズの中には「全国主要活断層活動確率地図(200万分の1)」も含まれている。この図は、今後30年後の活動確率を確率によって色分けしたもので、どの地域の活断層の活動確率が高いのかを分かりやすく示してくれる。

 「日本油田・ガス田図」については、「七谷(1/2.5万)」「沖縄本島中−南部(1/5万)」「新潟県中部地域(1/10万)」など全国のガス田図や鉱物資源図を収録している。それぞれの地質図には詳細な注記も記載されており、これと見比べながら丹念に見ればさまざまな発見を楽しめるだろう。

伊豆半島活断層図(1/10万)
糸魚川−静岡構造線活断層系ストリップマップ(1/10万)
第四紀地殻変動図 近畿(1/50万)
全国主要活断層活動確率地図(1/200万)
日本油田・ガス田図(魚沼 1/5万)

「どっかに行きたい」で検索できる観光旅行ガイド「docca」が提供開始

 ゾイシア株式会社は、観光旅行ガイドコンテンツ「docca(ドッカ)」をウェブアプリとして提供開始した。デスクトップ版のほか、スマートフォン版サイトも用意している。同サイトは、「温泉でゆっくりしたい」「海を見たい」「ドライブをしたい」といった漠然とした要望に対して、それに合った観光旅行先を提案するガイドサービス。アクセスすると「棚田を眺める」「ひまわりに囲まれる」「渓流・渓谷をゆく」といった観光のシチュエーションが写真とともに掲載されており、どれかを選ぶとそれに合ったモデルルートが写真とともに提示される。

トップページ
さまざまなストーリーを用意
「棚田を眺める」のリスト
周辺の観光スポットを地図に表示

 doccaが提供するコンテンツは、1日10記事程度更新されるまとめ記事や、全国各地の観光スポット4万カ所、観光モデルルートが2000件、20万枚以上の観光写真情報をそろえているほか、現地のリアルタイム投稿画像(たびれぽ)も用意する。

 スマートフォン版にアクセスすると、これらのモデルルートのリストが美しい写真とともに表示されるが、デスクトップ版は検索画面からのスタートとなる。検索については、現在地検索や地域・カテゴリーを指定しての検索のほか、キーワードによる曖昧検索機能も搭載する。例えば「滝」というキーワードで検索すると、滝や渓谷、湖などの情報のほかに、滝の眺めを楽しめる寺院の情報なども調べられる。

 検索機能を使って自分の好みの旅先を調べるという使い方も便利だが、収録されている写真が美しいものばかりなので、明確な目的を持たずに雑誌をめくるような感覚で写真を見ながら、あれこれ想像して机上旅行を楽しむといった使い方も可能だ。普通の旅行予約サイトで満足できない人にはおすすめのサイトである。

デスクトップ版の検索画面
「滝」での検索結果
スマートフォン版の特集ページ
スマートフォン版での検索画面

片岡 義明

IT・家電・街歩きなどの分野で活動中のライター。特に地図や位置情報に関す ることを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから法 人向け地図ソリューション、紙地図、測位システム、ナビゲーションデバイス、 オープンデータなど幅広い地図関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「位置情報ビッグデータ」(共著)が発売中。