趣味のインターネット地図ウォッチ
第98回:「ヤマト」の世界観をGoogle Earthで楽しめる「YAMATO EARTH」ほか
●人の「迷い」体験をGoogle Earth上で見られる「Mayotta...」
誰しも道に迷った経験があると思うが、そのような多くの人の迷子になった体験をGoogle Earth上で見られるコンテンツが登場した。首都大学東京・システムデザイン学部の学生が研究として発表した「Mayotta...」だ。「~人はなぜ道に迷うのか~デジタルコンテンツを利用した『迷い』に関する研究」というタイトルが付けられたこのサイトは、インターネット上で「迷い」の体験を共有することを目的としている。
「Mayotta...」トップページ |
制作者は同大学の渡邉英徳研究室の4年生で、「Mayotta...」は「迷い」に関する研究の最初のステップという位置付けとなっている。今後は研究結果をもとに新しい地図の表記方法を考えて、「迷い」をテーマとしたモバイル向けの地図コンテンツを制作する予定だという。
トップページ下のメニューから「Mayotta...」をクリックすると、Google Earth画面が表示される。地図上には吹き出し型の目印がいくつか並んでいる。目印は2種類で、赤がメールでの投稿、青がTwitterからの投稿を意味しており、上部のメニューで表示する種類を選択できる。
吹き出しをクリックすると、写真とともに「迷い」の体験文が表示される。例えば「渋谷駅」の目印では、「東口のバスを降りて、京王井の頭線に乗ろうとしたが、案内板の通りに行こうとしたら、ぐるぐる回ってしまい、分からなくなった。結局、少し離れたところに案内板を発見。」と書いてある。
クリックするとウィンドウがポップアップし、写真と「迷い」の体験が表示される |
このような投稿を見たときのユーザーの反応はさまざまだろう。渋谷によく行く人なら「そうそう、あそこは分かりにくいんだよなあ」と共感を覚えるかもしれないし、これから渋谷に行こうとしている人には迷いやすい要注意の場所として参考になるかもしれない。現在は東京都内の情報がメインだが、町歩きだけでなく車の運転中の体験などが加わると、さらに情報に厚みが出ると思う。
現在このサイトでは「迷い」の体験を募集しており、道に迷ってしまった場所を携帯電話で写真に撮影し、メールやTwitterで投稿するよう呼びかけている。人をナビゲートすることを目的とした地図の上で、あえてさまざまな人の「迷い」の体験を共有しようという試みはこれまでになった発想だ。興味のある人はぜひ投稿してみてはいかがだろうか?
■URL
Mayotta...
http://mayotta.mapping.jp/
●「ヤマト」の世界観をGoogle Earthで楽しめる「YAMATO EARTH」
12月1日に公開される映画「SPACE BATTLESHIP ヤマト」のプロモーションを目的としたGoogle Earthコンテンツ「YAMATO EARTH」が公開された。このコンテンツは首都大学東京の渡邉英徳准教授の制作総指揮による作品で、ヤマトの舞台となる西暦2200年の地球をGoogle Earth上で再現している。
「YAMATO EARTH」解説ページ(SPACE BATTLESHIP ヤマト 公式WEBサイト) (c)2010 SPACE BATTLESHIP ヤマト 製作委員会 (c)2010 株式会社フォトン |
コンテンツは現在のところ、顔写真をアップロードしてヤマトの乗艦申請を行える「ヤマト乗員マッピング」と、映画の名場面集を地図上に表示する「名場面集」、そして地球のさまざまな場所にヤマトを出現させることができる「ヤマトを探せ!」の3つが公開されており、このほかにもさまざまなコンテンツを随時追加していく予定だという。
「ヤマト乗員マッピング」では、アクセスするとGoogle Earth上にレイヤーが表示されて、遊星爆弾によって汚染され赤茶けた地表が映し出される。地表には投稿された乗艦証がマッピングされており、宇宙戦艦ヤマト(戦艦大和)が埋まっている坊ノ岬沖と光の線でつながっている。乗艦証をクリックすると写真とともに「貴官に宇宙戦艦ヤマトへの乗艦を命ずる。」という地球防衛軍・司令長官の言葉が入った乗艦証が拡大表示される。
この乗艦証は誰でも登録可能で、画面右上の「乗艦申請する」をクリックすると申請画面になる。写真の画像をアップロードできるほか、PCのカメラで顔写真を撮影して登録することも可能だ。ただし配属先は選択できないので、どの班に配属されるかは運で決まる。中にはシークレット乗艦証が隠されているかもしれないとのことで注目だ。すでに多くのユーザーからの投稿が集まっており、中には自分の顔写真ではなくペットの写真やイラストを掲載している人もいた。
ちなみにこのコンテンツは、乗務員が増えるにつれて汚染された地球が青い地球に戻る仕掛けになっているので、投稿数の増加によってどのように変化していくのかを見るのも楽しい。また、この乗艦証申請についてはiPhoneアプリも開発中とのことだ。
ヤマト乗員マッピング (c)2010 SPACE BATTLESHIP ヤマト 製作委員会 (c)2010 株式会社フォトン | 乗艦申請画面 (c)2010 SPACE BATTLESHIP ヤマト 製作委員会 (c)2010 株式会社フォトン |
2つめのコンテンツ「名場面集」は、地図上に丸い目印が貼り付けられていて、ダブルクリックすると静止画を拡大できる。これらの静止画は地球を舞台にした映像だけでなく、火星の映像も含まれており、画面上部のメニューから「火星」にチェックを入れると、火星の様子が映し出される。また、画面上部の「名場面をみる」のチェックを1つずつ入れていくと、次々に映像を切り替えられる。
名場面集 (c)2010 SPACE BATTLESHIP ヤマト 製作委員会 (c)2010 株式会社フォトン | 火星の映像 (c)2010 SPACE BATTLESHIP ヤマト 製作委員会 (c)2010 株式会社フォトン |
最後の「ヤマトを探せ!」は、現在の地球上のさまざまなスポットにヤマトを出現させて、ジオラマ映像を楽しむというもので、東京タワーや羽田空港、富士山、エジプトのピラミッド、ブラジル・リオデジャネイロのキリスト像など各地の名所が登場する。現実の施設とヤマトを並べてみることで、ヤマトの大きさも実感できる。なお、このコンテンツは映画に関するTwitterのコメントが画面右に表示されるようになっており、映画を観た人の感想も分かる。映画「SPACE BATTLESHIP ヤマト」を観に行こうと思っている人はもちろん、アニメ版が好きな旧来のヤマトファンもぜひ楽しんでいただきたい。
ヤマトを探せ!(富士山) (c)2010 SPACE BATTLESHIP ヤマト 製作委員会 (c)2010 株式会社フォトン | ヤマトを探せ!(東京タワー) (c)2010 SPACE BATTLESHIP ヤマト 製作委員会 (c)2010 株式会社フォトン |
■URL
「YAMATO EARTH」解説ページ(SPACE BATTLESHIP ヤマト 公式WEBサイト)
http://yamato-movie.net/p_earth.html
「YAMATO EARTH」(要Google Earthプラグイン)
http://yamato.mapping.jp/
●「宇宙戦艦ヤマト」をモチーフにしたPND「宇宙戦艦ヤマトナビ」
株式会社アール・ダブリュー・シーは、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」をモチーフにしたPND「宇宙戦艦ヤマトナビ RM-YA500」を発売した。価格は3万4800円。このPNDはヤマトの船体カラーを採用しており、船尾型の吸着式オリジナルスタンドが付属する。音声案内はヒロインの森雪に加えて、アナライザーの音声も収録。オリジナル壁紙を収録し、ナビゲーション画面ではマップ上の自車位置表示にヤマトやアナライザーのアイコンを表示できる。また、おなじみのテーマ曲も収録する。
ヤマトの船体と同じ2トーンカラーの本体 | 自車位置をヤマトのアイコンで表示 |
ディスプレイは5インチワイド液晶で、内蔵メモリーは4GB。外部メモリーとしてmicroSD/microSDHCが利用可能で、音楽・動画・写真を再生できる。リチウム充電池を採用しており、バッテリー駆動で最大約2時間使用可能。オートリルートやトンネルアシスト、オービス警告、エコドライブ判定、2画面表示などの機能に加えて、ワンセグテレビも搭載する。マップデータはゼンリン製の2010年版を収録。
船尾型のスタンドを採用 |
映画の公開をきっかけに昔見たアニメを思い出した人もいると思うが、この「宇宙戦艦ヤマトナビ」にはアニメのヤマトが好きな人にとって魅力的な機能が数多く搭載されている。ヤマトファンには見逃せないPNDとして要注目だ。
■URL
「宇宙戦艦ヤマトナビ RM-YA500」製品概要
http://www.rwc.co.jp/product/rmya500/index.html
2010/11/11 06:00
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