第267回:無線LAN搭載でPodcastを直接ダウンロード
東芝のポータブルオーディオプレーヤー「gigabeat T401」



 東芝から新たに登場した「gigabeat T401」は、IEEE802.11b/g準拠の無線LANを搭載したポータブルオーディオプレーヤーだ。無線LANの利用によってPodcastをPCレスで直接ダウンロードすることができる。その使い心地をレポートしよう。





無線LAN内蔵機器の広がり

gigabeat Tシリーズ

 家庭用ゲーム機やデジタルカメラ、携帯電話、そしてポータブルオーディオプレーヤーと、無線LANを搭載した機器の幅が広がり始めてきた。

 一時期の勢いこそ見られないものの、屋外で無線LANを利用できる場所は着実に増えているだけでなく、家庭内での無線LANの利用率も徐々に向上しつつあある。無線LANがインフラとしての基盤が整ってきたというのが主な理由だろうが、今回、東芝から登場したgigabeat T401を眺めていると、無線LANモジュールの小型化や省電力化も大きく起因しているのだろうと改めて実感した。

 今回、紹介する東芝のgigabeat T401はIEEE 802.11b/g準拠の無線LANを内蔵したポータブルオーディオプレーヤーだが、そのサイズは幅54.0mm×高さ85.6mm×奥行9.9mmとコンパクトで、重量も58gと軽く仕上がっている。

 数年前、とあるメーカーの方に家電への無線LANの普及について質問したことがあったが、その際に問題になるのは消費電力とサイズであった。「このサイズに無線LANが内蔵されているのか」と、しげしげとT401を眺めていると、もはやその課題がクリアされつつあることを実感した。

 市場としては、「無線LAN搭載」というキーワード(デジカメ、携帯などなど)」が一般的に認知され、誰もが使うようになるまでには、まだ時間がかかりそうで、今はユーザーのニーズを探っている最中という印象だが、無線LAN内蔵機器の幅も徐々に広がっているようだ。


東芝のポータブルオーディオプレーヤー「gigabeat T401」。IEEE 802.11b/g準拠の無線LANを搭載しており、Podcastを直接ダウンロードできる
背面

下部同梱品




Podcastを無線LANでダウンロード

 ところで、そもそもポータブルオーディオプレーヤーに無線LANを内蔵してどうするのか? と率直な疑問を持った人も少なくないことだろう。

 何らかの製品にこれまでになかった技術を採用する場合、ともすると技術的に可能というだけで製品が実現し、最終的な目的がはっきりしないことも多いのだが、gigabeat T401では無線LAN用途が非常に明確だ。gigabeat T401の無線LANは、「Podcastをダウンロードする」という目的のためだけに搭載されている。

 gigabeat T401を起動してTOPメニューを表示すると、そこに「無線deダウンロード」という項目が表示される。これがPodcastのダウンロード機能だ。内蔵の無線LANを利用して家庭やオフィスのアクセスポイントに接続することで、gigabeat T401から直接インターネットに接続し、Podcastのコンテンツをダウンロードすることができるようになっている。


gigabeat T401のメインメニュー。「無線deダウンロード」というのがPodcastのダウンロード機能となる。なお、OSにはWindows Mobile Softwareを採用

 通常、ポータブルオーディオプレーヤーでPodcastのコンテンツを楽しむには、iTunesなどを利用してPCにコンテンツをダウンロード、それをポータブルオーディオプレーヤーに同期するという使い方が一般的だが、このPCでの手順をすべて省略することができるというわけだ。

 「どうせなら無線LAN経由でPCとの同期もできれば良いのに……」とか、「DLNA対応にして……」などと思わなくもないのだが、無線LANの用途を広げて、そこにいろいろな意味を持たせてしまうと、特にエントリー層のユーザーに使いにくい印象を与えてしまいかねない。目的と手段と言おうか、主従の関係と言おうか、無線LANが搭載されているというよりは「無線deダウンロード」という機能が搭載されていて、それを実現するために無線LANが内蔵されているイメージだ。





無線LANの設定は手動

 では、実際の使い勝手を見ていこう。

 まずは無線LANの設定だが、これは非常にオーソドックスで、SSIDの検索による設定か、完全な手動設定の2通りが用意されている。OSにWindows Mobile Softwareが採用されていることが影響しているのかどうかはわからないが、国内で一般的なバッファローの「AOSS」やNECアクセステクニカの「らくらく無線スタート」などのボタン式無線LAN設定には対応していない。このあたりは、少々残念な印象だ。


無線LANの設定は手動で行なう。近くのSSIDを検索後、暗号キーを入力することで無線LANでの接続が可能となる。キー入力はスクリーンキーボードを利用する

 とは言え、SSIDの検索で設定すれば、SSIDはもちろんのこと暗号化方式まで自動的に判別して設定するため、ユーザーは暗号キーを入力するだけでよい(対応する無線LANセキュリティはWEPとWPA、WPA2)。非常に長い暗号キーが設定されている場合は若干面倒だがが、画面に表示されたスクリーンキーボードを利用して、十時キーと「OK」ボタンで入力できるのでさほど手間はかからない印象だ。

 設定が完了したら、続いてPodcastの番組を登録する。トップメニューから「無線deダウンロード」を選択すると、番組の一覧画面が表示される。標準では何も登録されていないので、「番組の追加登録」を選択して新たに登録することになる。

 追加方法は2種類。あらかじめ用意されているプリセット情報から番組を選択する方法。もう1つはURLを手動で入力する方法だ。プリセットには、バラエティ、アーティスト/音楽、お笑い、スポーツなど、ジャンルごとにいくつかの番組が登録されているので、まずはここを一通り確認して、購読したい番組があるかどうかを探してみると良いだろう。


番組はあらかじめ登録されているプリセットから選ぶことができる。さまざまなジャンルの番組が用意されている

 もしも、はじめから購読したい番組が決まっている場合は、そのURLを直接登録することができる。たとえば、「Impress Watch 動画ニュース 萌えランキング」であれば、「-