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トランシーバー風デバイスで、数十km離れてもテキストメッセージのやり取りが可能!? LoRaプロトコル採用の「Walkie-Textie」

 トランシーバーに似たテキスト通信デバイスが一部で注目を集めている。

 「Walkie-Textie」と名付けられたこのデバイスは、テンキーによるテキスト入力機能を備えた通信デバイスで、長距離・低帯域幅を特徴とするLoRa(Long Range)プロトコルを採用。同プロトコルは音声通信には適さないが、短いテキストメッセージには最適で、通信範囲は都市部で最大4.8km(3マイル)、郊外で最大16km(10マイル)とのこと。開発者は「キャンプやハイキングなど、遠隔地でのモバイル信号がない状況、モバイルネットワークの費用を節約したい場合、または子供たちが電気代を気にせずに楽しく遊べるようにしたい場合などに最適」としているが、5GやWi-Fi、衛星通信などに依存することなく通信が行えることから、検閲を回避したい用途を意識しているのは明らか。仕様上、送信中は受信できず、ハンドシェイクも行われないため、送信者はメッセージが受信されたかどうかを確認できないなど、スマホなどと比較した場合の不便さは否めないが、ある意味で時代が求めたツールであるとも言え、今後どのように進化するか注目される。

 なお、LoRa自体は、条件しだいではさらに長距離で通信できる場合もあるようだ。過去のテストでは、都市部で約8km、郊外で30~60km、さらに山岳地帯では100kmに到達したとの報告や、成層圏気球による特殊な状況では500km以上も離れたワルシャワからベルリンへの通信も途切れ途切れで行えたとの報告も寄せられている。