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山間部などの通信インフラ空白エリア解消へ、「高出力250mWプライベートLoRa」で無線ネットワーク構築

岐阜大学を拠点にメッシュ接続、飛騨高山スキー場までカバー

活用実証におけるプライベートLoRaのネットワーク図。貝月山の中継局から飛騨高山スキー場という長距離でも通信が可能

 エヌエスティ・グローバリスト株式会社(NSTG)は5月10日、国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学と共同で、プライベートLoRaの活用実証を6月から開始すると発表した。プライベートLoRaをベースにNSTGが開発した独自技術「250mW高出力無線技術/多段中継ホップ」を使い、岐阜大学を拠点として、飛騨高山スキー場までをカバーする無線ネットワークを構築。各種ソリューションサービスの利用実証を行う。

 親局を岐阜大学に設置し、同大学の北西エリアの山頂などに中継局を7カ所設置する。親局と中継局はメッシュ接続するため“面”でネットワークを構築している。さらに、中継局の1つである貝月山山頂からは、飛騨高山スキー場に設置された中継局へ接続する。

 このようなプライベートLoRaは、IoT機器をネットワークに接続するための通信技術だ。今回の活用実証では、1)各種センサーの状態を取得し、異常があると管理者にメールを送信する「APPEAR」、2)独自技術で画像の高圧縮や分割パケットにより計測センサーや現場の状況が確認できる「IMAGE」、3)携帯電話のエリア外でもGPSによる位置情報の送信/チャット/SOS(緊急通知)で管理者と通信できる「LINK」、4)BLE(Bluetooth Low Energy)デバイスをLoRaネットワークに融合させてデータ可視化を実現する「BLE」、5)計測装置やPLC(プログラマブルコントローラー)など各種シリアル装置からの計測データをLoRaネットワークに取り込む「SERIAL」――といった、NSTGのソリューションサービスの有効性を確認する。

活用実証で導入される機器。センサーやBLEデバイスからのコンバーターのほかに電源装置も利用する