イベントレポート
Interop Tokyo 2019
位置情報ソリューションで働き方も変わる!? 仮想ビーコン、LTE-M対応GPSトラッカーなど多様な展示
2019年6月13日 14:30
幕張メッセ(千葉市美浜区)で6月12日から14日まで、最先端ネットワーク技術・製品のイベント「Interop Tokyo 2019」や位置情報ビジネスをテーマとしたイベント「ロケーションビジネスジャパン(LBJ)2019」などが開催されている。本記事では、それらの展示会の中から、屋内外の測位システムや関連機器、位置情報を活用したソリューションなどを紹介する。
屋内外でシームレスに位置を検知できる「AB Finder WIDE」
ビーコン端末を使って屋内の位置を検知できるシステム「AB Finder」を提供する株式会社ジークス。働き方改革のためフリーアドレスを導入した場合に、どこに誰がいるのかを確認できるシステムとして有効なこのサービスには、屋内だけでなく屋外での位置情報検知も可能な「AB Finder WIDE」も用意されている。
AB Finder WIDEでは、ビーコン機能に加えてGPSや加速度センサー、RFIDなどの機能を内蔵した「Jcard」というクレジットカードサイズの薄型デバイスを使用し、LoRa無線によって位置情報を送信する。このデバイスを社内スタッフが携帯し、屋外にLoRaのゲートウェイを設置することにより、屋内外のシームレスな位置情報検知が可能となる。
ビーコンを使ってホテルのクローク業務を省力化
社内での所在確認や在庫確認などのソリューションを提供する株式会社芳和システムデザインは、BLEビーコンの新製品として、勤怠管理や動態管理などのサービスに利用できる「BLEAD-TAG」と、温度・加速度センサーを搭載した「BLEAD-TSH」、円形の「BLEAD-B」などを展示している。
また、ビーコンを使って子どもの見守りが可能となる「みまブリ」や、ホテルのクローク業務において、預かった荷物にビーコンを付けて音と光で場所を知らせ、業務効率化を図れる「荷物探索システム」なども紹介。荷物探索システムは4月からコンフォートホテル博多にて実証実験を実施中で、ゴールデンウイーク中には100以上の荷物を同時に預かり、探す時間を短縮できたことが確認されたという。
仮想ビーコンで屋内での高精度な位置情報把握を実現
ネットワンパートナーズ株式会社は、ワイヤレスソリューション「Mist Systems」より、「Mist高精度屋内位置情報ソリューション」を紹介している。
このソリューションは、指向性を持つ8本のBLEビームを周囲に出力するアクセスポイントを設置して、デバイスが受信したビーム強度をクラウドで計算することでデバイスの位置情報を算出する。屋内地図上に仮想的なビーコンを設置して、その位置にデバイスが訪れた場合に位置情報のナビゲーションやクーポンメッセージの送信などを行える。
また、同機能にWi-Fiのアクセスポイント機能を加えた機器も用意しており、この機器を使うことで、刻々と変わる社内のWi-Fi使用状況に合わせて、AIにより自動的にWi-Fiの通信速度などを調整できる。フリーアドレスのオフィスにおける社員の位置把握や、Wi-Fi環境の整備に適したソリューションといえる。
多彩な形状のビーコンや、LPWA対応のGPSトラッカー
三信電気株式会社および株式会社Braveridgeも出展。ボタン電池タイプやストラップ穴付き、USB電源で動作するタイプ、単3形電池を使用することで電池寿命が長持ちするタイプ、押したときだけビーコン電波を発信するタイプなど、Braveridgeが製造するさまざまな形状のBLEビーコンを展示している。また、nanoSIMカードを内蔵したBraveridge製のLTE-M対応GPSトラッカーも紹介している。
さらに、米国IMPINJ製のRFIDゲートウェイの最新機種「xSPAN」も展示。xSPANは13本のアンテナビームによりRFIDタグを身に付けた人の方向検知を行うことが可能で、ネックストラップタグやリストバンドタグなどと組み合わせて使うことで社員の出入りなどを管理し、働き方改革などに役立てられる。物流業務の入出庫や商品の発送ミス防止など、業務効率化にも有効だ。