イベントレポート

Interop Tokyo 2019

「みちびき」を利用してピンポイント着陸、楽天ドローンの専用機体「天空」も展示

 幕張メッセ(千葉市美浜区)で6月12日から14日まで、最先端ネットワーク技術・製品のイベント「Interop Tokyo 2019」や位置情報ビジネスをテーマとしたイベント「ロケーションビジネスジャパン(LBJ)2019」などが開催されている。本記事では、それらの展示会の中から、屋内外の測位システムや関連機器、位置情報を活用するソリューションとして、ドローン配送やエリアマーケティングなどの展示を紹介する。

ドローンによるピンポイント配送の実証実験を紹介

楽天ドローンの専用機体「天空」

 内閣府宇宙開発戦略推進事務局と準天頂衛星システムサービス株式会社、一般社団法人日本ドローンコンソーシアムによる共同ブースでは、2019年3月に彩の国くまがやドーム(埼玉県熊谷市)にて実施されたドローン配送の実証実験を紹介している。

 この実験では、準天頂衛星「みちびき」のセンチメーター級測位補強サービスを利用して、ドローンによる物流分野でのピンポイント配送を想定した実証実験を実施し、1メートル四方以下のターゲットへの着陸に成功した。ピンポイント配送の実現により、有限な空域内で同時に数多くのドローンが飛行可能になるなど、物流分野における業務効率化が期待される。展示ブースでは、このときに使用された楽天ドローンの専用機体「天空」を展示しているほか、実験の模様を動画で見ることができる。このほかに、みちびきの高精度測位に対応したGNSSトラッカーやドローンのコントローラーなども展示している。

地図・位置情報を扱う3社による「ロケーションビジネスラボ」

 地図システム会社の株式会社シグナイト、位置情報データプラットフォーム「プロファイルパスポート」を提供する株式会社ブログウォッチャー、大量のデータを地図上に可視化できるクラウドサービス「CARTO」を提供するPacific Spatial Solutionsの3社は、共同ブース「ロケーションビジネスラボ」を出展し、各社スタッフが白衣を着てそれぞれのサービスを説明していた。

「ロケーションビジネスラボ」

 シグナイトのコーナーでは、遊園地を訪れた人がどこからやって来たのかを地図上に表示するなど、ブログウォッチャーが提供するデータをCARTOの地図上で可視化するデモなども見ることができる。シグナイトはこのほかにも、地図上に顧客情報を表示できる営業管理ツールなど、地図を使ったさまざまなシステムを用意している。

シグナイトのデモ

気象や生活環境など、エリアに紐付く環境データを提供する「TORIMAKU」

 4月1日に株式会社マピオンが社名変更して新たなスタートを切った株式会社ONE COMPATHのブースでは、気象や生活環境など、エリアに紐付く環境情報を集約する環境データ提供サービス「TORIMAKU」を紹介していた。同サービスでは、総合気象情報会社の株式会社ハレックスが提供する気象データと、技研商事インターナショナル株式会社が提供する住民プロファイルデータや国勢調査などのエリア情報(ジオデモデータ)を集約し、最適なフォーマットに変換して提供する。データ提供方式はAPIとバルクデータのどちらにも対応しており、ターゲティング広告やエリア分析などさまざまな用途に利用できる。

株式会社ONE COMPATHのブース