いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説
カタログ数4000万曲、11時間超えのプレイリストもある音楽配信サービス「Spotify」
2016年11月2日 06:00
サービス名 | Spotify(スポティファイ) |
リリース日 | 2008年10月(日本では2016年9月からサービス開始) |
運営会社名 | スポティファイジャパン |
料金 | 無料と月額980円(税込)の2つのプランを用意 |
登録 | 必要 |
URL | https://www.spotify.com/ |
世界最大の定額制音楽配信サービスがついに日本上陸
2016年9月29日、日本で「Spotify(スポティファイ)」がサービスを開始しました。Spotifyとは、スウェーデンで生まれた世界最大の定額制音楽配信サービスです。スマートフォン/タブレット向けアプリやパソコン、PlayStation 4などで利用できます。
4000万を超える楽曲をそろえ、世界60カ国で1億人以上が利用中。作られたプレイリストは20億を超え(2016年9月時点)、日本でのリリース時点では、日本向けのプレイリストも100万件用意したとか。再生には専用のアプリが必要ですが、パソコンやスマートフォンに保存済みの楽曲もSpotifyのアプリで再生でき、プレイリストにも混ぜられます。また、Runkeeperなどの活動量計アプリをはじめとした、外部アプリとも連携して利用できます。
Spotifyは2006年夏にスウェーデンで創業し、サービス開始は2008年10月。ヨーロッパで人気を得て、2011年7月15日に米国に上陸します。そこからさらに待つこと5年。ようやく日本でも利用できるようになったわけです。ですから、今か今かと待ちわびていた方も多いはず。
ただし、すぐに利用できるわけではありません。現在、日本では招待コードが必要で、ウェブから申請する必要があります。いつコードが届くかは不明ですが、気になる方は早めに申請しておきましょう。
無料と有料の2プランを用意
Spotifyでできるのは、4000万曲のストリーミング聴取。あらかじめ用意された膨大な数のプレイリストの利用や、ジャンルやアーティスト名で選べるラジオステーションのチェック、独自のプレイリストの作成、登録、公開、共有などが基本となります。プレイリストはFacebookやTwitter、メール、SMSなどを通じて共有できます。
これらはパソコン、スマートフォン、タブレットで利用できます。ただし、選択するプランによって、再生まわりで少々使い勝手が変わってきます。
プランは無料の「Spotify Free」と月額980円(税込)の「Spotify Premium」の2種類で、「Spotify Premium」には無料お試し期間があります。スマートフォンアプリからの申し込みでは7日間無料で試用でき、ウェブサイトからの申し込みではカード情報またはキャリア決済の情報を登録することで30日間無料で試用できます。
Spotify Freeは、広告を配信することで無料で利用できるプラン。広告にサポートされている3000万以上のカタログにアクセスできます。
利用環境によっても制約が異なります。パソコンで利用する場合、再生可能時間は30日間で15時間というストリーミング時間の制限があります。一方、スマートフォンには時間制限はありません。そのかわり、再生は常にシャッフルモードになります。また曲のスキップ回数に制限が設けられており、スマートフォンなら1時間に6回までとなっているようです。
広告は30分ごとに1回、画像と音声で配信されます。突然切りかわるので最初は少々違和感がありますが、ラジオのCMのようなものだと思えば気にならなくなるでしょう。
月額980円のSpotify Premiumは広告が一切ありません。無料プランがありながら、有料会員は世界で4000万人を超えるというから驚きです。
Spotify Freeに設けられていた制限は一切なく、曲は320kbpsの高音質再生。好きな音楽を好きな順番で聴けるオンデマンド機能を備え、ダウンロードによるオフライン再生もできます。
支払いはクレジットカード、コンビニ決済、オンラインバンキングなどをサポートしてますが、2016年10月にキャリア決済(ドコモケータイ払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い)にも対応しています。
カタログ数とプレイリストの多さ、無料プランの存在が魅力
定額制音楽配信サービスとして有名なのは、Apple MusicやGoogle Play Musicがあります。いずれも月額980円と、有料プランの料金は同じ。しかし、Spotifyの強味はなんといっても4000万曲というカタログ数の多さと、充実したプレイリストでしょう。
4000万曲もある中から探すのはかなり大変。ですが、音楽を探す機能も充実しています。フリーワード検索はもちろんですが、プレイリストもかなり充実しているのです。メニューの「Browse」にアクセスすると、アーティストやキュレーターなどが作成したさまざまなプレイリストが使えます。シーンの区分けがかなり広く、シーンごとのプレイリストも豊富です。
例えば「ジャンル&気分」コーナーでは、「J-トラック」「ムード」「ポップ」「パーティ」「トレンド」「フォーカス」「ロック」「Indie/Alternative」「EDM/ダンス」「チルアウト」「ディナー」「Sleep」「ヒップホップ」「ワークアウト」「R&B」「カントリー」「Folk & Americana」「メタル」「ソウル」「トラベル」「年代別」「ジャズ」「ブルース」「レゲエ」「ラテン」「パンク」「ロマンス」「ファンク」「クラシック」「ゲーム」「キッズ」といった具合に、豊富なプレイリストが用意されています。
「年代別」などでは、50年代から90年代まで10年刻みでプレイリストが用意されています。「All Out 80s」を見てみると、10曲や20曲どころでなく87曲、6時間6分もの曲が並んでいます。「80's SMASH HITS」は160曲で、再生時間はなんと11時間。再生を始めたら聞き終わるまでほぼ半日かかる勢いです。日本では歌詞表示機能もあるので、何から聞いていいか迷ったら、懐かしい時代にさかのぼってみるのもいいでしょう。
また、「Browse」内の「チャート」も必見です。「トップ50」と「バイラルトップ50」の2種類があり、世界で、日本で、個別の国で、どんな曲が人気で、口コミ再生されているのかが分かるのです。「バイラルトップ50(グローバル)」には、今話題のあの曲も含まれていました。確認した時点では6位でしたが、矢印は上向きで目が離せません。
ランニングするならスマートフォンの「Running」も
もう1点ユニークなのが、スマートフォン版の「Browse」で確認できる「Running」です。これは、ランニング用のプレイリストで、事前に走るテンポを測定することで、ペースに合った楽曲が自動的に選曲されるというもの。測定後に自分でペースを落とすこともできます。必ずしも好みの曲がセレクトされるとは限りませんが、ランニングする方なら試す価値はありそう。ただし、ウォーキングのペースでは測定できなかったので、今後のバージョンアップに期待したいところです。
このほかに、新曲が知りたいなら新たにリリースされた楽曲のみの「ニューリリース」がおすすめです。また、視聴履歴からおすすめのリストが毎週提供される「Discover Weekly」もあります。
日本でのサービス開始は、Apple MusicやGoogle Play Musicなどの後になってしまいましたが、Spotifyは無料プランがあるところも強味。迷ったらまず無料プランでしばらく使ってみるといいでしょう。