イベントレポート

CEATEC JAPAN 2016

三菱電機、GPSやジャイロセンサーを使わずに、位置情報なしで屋内空間の3Dマップを生成するシステム

 「CEATEC JAPAN 2016」で三菱電機が「屋内3Dマッピングシステム」を展示している。マルチセンターを搭載した空間スキャナー機材を背負って建物内や地下街を歩くことで、GPSなどの位置情報を用いずに測量し、屋内空間の3Dモデルを作成できる。

 マルチセンサーは、MicrosoftのKinectと同様の機能を持つという距離センサーおよび画像センサーを計6セット搭載しており、歩いた経路の周囲の壁や物体などの各位置(点群)をスキャンしていき、点描画のような3Dモデルを生成する。機材にはGPSやジャイロセンサーは搭載されておらず、計測した点群は位置情報を保有していないのが特徴。数歩ごとに視点・距離が変化していく測量データの中から、同じ物体と判断される部分的な3Dデータを正確につなぎ合わせていくことで、空間全体を構成する仕組みだ。

 三菱電機では昨年、市販のタブレットPCと小型3Dセンサーを使って、1つの部屋の中の3Dモデルを生成する技術を発表していた。屋内3Dマッピングシステムはこれを大規模空間向けに拡張させたもので、数百平方メートル以上の空間を測量できるとしている。3Dモデルの生成はスキャナー機器に内蔵しているPCでリアルタイムに行われ、歩行する実時間で高速処理されるという。単なるウォークスルー映像とは異なるため、3Dモデル上での寸法計測も行えるほか、視覚的な処理を施すことで点群で表現された3Dマップを見栄えのよい映像に加工することも可能だとしている。

 三菱電機では、同システムを実用化すれば屋内空間の3Dマップデータを迅速に用意できるため、今後ニーズが増すとみられる屋内地図情報を利用するアプリの開発を後押しできるとしている。
役立つとしている。