イベントレポート

第3回ウェアラブルEXPO

顔検出を妨害するPOLYSICS的?なアイウェア「PrivacyVisor」

「PrivacyVisor」はサングラスのようにかけるだけで防犯カメラなどの顔検出を回避できる。右下の人の顔には顔として検出していることを示すフレームが表示されているが、「PrivacyVisor」をかけた中央の人の顔には表示されていない(ぼかし加工は、編集部で施したものです)

 東京ビッグサイト(東京都江東区)にて1月20日まで開催されている「第3回ウェアラブルEXPO」で、防犯カメラやスマートフォンカメラなどの顔検出を回避できるアイウェア「PrivacyVisor」を株式会社ニッセイが展示している。

 PrivacyVisorは、顔に明暗を作る可視光を反射・吸収する素材を貼り付けることで目の周りの明暗の特徴をなくし、顔検出を妨害する仕組みとなっている。電源や特殊な材料を必要とせず、メガネのように簡単に装着できるのが特徴だ。価格は3万6000円(税別)で、ニッセイのウェブサイトから申し込みを受け付けている。

 展示ブースでは、シルバーグレーとシャンパンゴールドの2色をラインアップする新モデルと、初期モデルを展示。新モデルはUVカット機能を備えたミラーレンズを採用しており、サングラスに近い見た目をしている。顔検出の妨害性は初期モデルのほうが優れているようだが、新モデルでは視認性や掛けやすさを見直し製作したという。

新モデル(左、中央)と初期モデル(右)。両製品ともチタンフレームを採用
初期モデルは顔検出の妨害性が高いが、前面の独特なパターンが視認性を若干低下させている。また、顔検出を妨害できるものの、デザイン的にはかえって目立ちやすくなるため、新モデルではサングラス寄りの見た目になった
初期モデル裏面

 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立情報学研究所(NII)の越前功教授が開発した顔検出を妨げる技術を採用し、ニッセイと株式会社テクロスが商品企画・デザインを担当。製造は福井県鯖江市の職人が担当しているという。

 NIIでは、顔認識技術や画像検索技術の進歩により、新たなタイプのプライバシー侵害が発生すると指摘。本人が意図せずに偶然写り込んだ写真がSNSで公開されることで、「誰が」「いつ」「どこにいたか」という個人の情報が不特定多数に暴露される恐れがあるとしている。