イベントレポート
第5回HosCon - GMO Hosting Conference
クラウドやホスティング業界の未来は?~GMOグループ4社が「HosCon」開催
2017年2月22日 06:00
GMOインターネットグループは16日、グループ4社が運用するホスティングサービスの裏側などを紹介する「第5回HosCon - GMO Hosting Conference」を開催した。
イベント冒頭で、GMOインターネット 取締役の児玉公宏氏が4社の動向を紹介した。GMOペパボについてはロリポップ!のリニューアルを、GMOデジロックについてはXREAのリニューアルを、GMOクラウドについてはALTUSを、GMOインターネットについてはConoHaカードやConoHaブロックチェーンβ版、ConoHaでのWindows対応を春以降に再開する予定を紹介した。
“連合軍”によるDDoS対策
「アタック vs. 連合軍」セッションでは、GMOインターネットのセキュリティエンジニアである割田太郎氏が、DDoSへの対策を紹介した。現在、1Gbps以上の攻撃が月15~30回程度あるという。そこで、事業部、システム、カスタマーサービスの3者からメンバーを集めた「連合軍」を結成し、日々の情報交換や対策の横展開などをしていることが紹介された。また、ツールによる効率化として、チャットBOTによる情報表示と、プライベートWHOISによるIPアドレス情報の集約が紹介された。
海外データセンターでの拠点作りはやはり大変?
「マルチリージョンの仮想化インフラができるまで」セッションでは、GMOインターネットの島原弘和氏が、外国のデータセンターで拠点を動かすための、データセンター/インターネット回線/機器の調達の苦労を語った。国ごとの商慣習の違いや、電力仕様の違い、ユーザー事情の違い、機器を日本で購入して輸送する場合と現地で購入する場合の長所短所などが説明された。また、現地の企業や慣習などについて、「現地駐在員や経験のある知人にヒアリングするのが一番参考になる」とコメントした。
「ConoHa×ブロックチェーン→スマート宅配ボックス」セッションでは、GMOインターネット株式会社 次世代システム研究室の松浦岳登氏が、ブロックチェーンの基礎について解説した。そして、ブロックチェーンのアプリケーションを開発するための基盤として、Etheriumベースの「ConoHaブロックチェーン」β版を紹介した。さらに、実際にブロックチェーンのアプリケーションとして開発した、宅配ボックスの開閉のログを保証する「スマート宅配ボックス」の実証実験について語った。
4社によるグループトークセッションも
イベントの最後には、4社のエンジニアを集めてグループトークセッションが行われた。モデレーターはGMOインターネット株式会社 テクニカルエバンジェリストの斉藤弘信氏。
GMOペパボへの質問には山下和彦氏が回答した。いま旧来のサービスを刷新していることについて、ロリポップ!が開始から16年となり、世の中が移り変わってニーズが変わってきていることや、独自の技術によりこれまでにないサービスを提供したいという思いが語られた。
GMOクラウドへの質問には角田寿浩氏が回答した。認証局業界の動向としてGoogleが自社向けのルート認証局「Google Trust Services」を開設した目的の推測や、SaaSポータルサイト「SaaStart」、その中のセキュリティ診断サービス「SiteLock」などが語られた。
GMOデジロックへの質問には藤田伸広氏が回答した。XREAを大リニューアルした意気込みは「性能でも価格でも負けないものを」とのこと。現在、Linuxコンテナーをハイパーバイザーのように使う技術「LXD」を検証しており、すでにXREAの投入に向けて最終調整にあることが語られた。
GMOインターネットの次世代システム研究室への質問には、ブロックチェーンのセッションでも登壇した松浦岳登氏が回答した。研究部門であり、ベトナムにも拠点があるという。ブロックチェーンについては、実証実験で種をまいて金融など実サービスにつなげていきたいことが語られた。