JPNE、フレッツのIPv6接続「ネイティブ方式」の利点をアピール


 日本ネットワークイネイブラー株式会社(JPNE)と日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)が共同で出展しているブースでは、ISP事業者向けに提供するIPv6サービスの展示を行っている。

 JPNEは、ISP事業者向けにIPv6接続のローミングサービスを提供する事業者。JPIX、KDDI、NECビッグローブ、朝日ネット、ニフティ、丸紅アクセスソリューションズの6社が株主となって2010年8月に設立された。

 NTT東西の「フレッツ 光ネクスト」で提供するIPv6接続サービスは、IPv6 PPPoEを利用してISPと接続する「トンネル方式」と、ISPから預かったIPv6アドレスをNTT東西がユーザーに直接払い出す「ネイティブ方式」の2種類がある。トンネル方式ではユーザー側にIPv6 PPPoE対応の機器が必要となるのに対し、ネイティブ方式は特別な機器を必要としない。ただし、NTT東西では技術的な問題からネイティブ方式に対応できるのは3社までとしており、JPNEではこの3社のうちの1社として、各ISPに対してIPv6接続のローミングサービスを提供する。

 現在のところ、フレッツ 光ネクストのネイティブ方式によるIPv6接続サービスは7月26日に開始の予定。JPNEでは、現在テストしている環境において問題は無く、6月8日に実施されている「World IPv6 Day」でも全く支障無く利用できていると説明。NTT東西がひかり電話のために提供しているホームゲートウェイも既にIPv6に対応しているため、ネイティブ方式によるIPv6接続サービスはほとんどの環境で機器の変更などは必要なく、従来通りの機器でそのままIPv6が利用できるという。

 JPNEでは今後、アドレス変換によりIPv6上でIPv4接続を提供する「IPv4 over IPv6オプション」などを提供していくことで、IPv4/IPv6の併存や移行におけるISP事業者の負担を軽減するサービスを提供していくとしている。

 JPIXでは、今後ISPのネットワークがIPv6化された場合のサービスとして「IPv6v4エクスチェンジサービス」を展示。日本でも新規のIPv4アドレス割り当てが終了したことから、今後はISPでもネットワークのIPv6化が進むと考えられるが、家庭内にはIPv4のみに対応する機器が残り、ウェブなどのコンテンツサーバーも当面はIPv4のみに対応するサーバーが残ることが想定される。

 こうした状況下においても接続性を提供するのが「IPv6v4エクスチェンジサービス」で、ISP側ではユーザーに提供する「トランスレートホームゲートウェイ」でIPv4プライベートアドレスとIPv6アドレスを変更。JPIXがIPv6とIPv4を変換するゲートウェイサービスを提供することで、ISPがネットワークをIPv6に移行した場合でも接続性が保てる。

JPNEは、フレッツ 光ネクストの「ネイティブ方式」によるIPv6接続サービスをISP各社にローミングで提供するJPIXが提供する「IPv6v4エクスチェンジサービス」の概念図



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(三柳 英樹)

2011/6/8 17:20