スマホ版Amebaで「デカグラフ」展開へ、SNS・オープン化で全方位外交


 東京ビッグサイトで開催されているIT関連の展示会「2012 Japan IT Week 春」で11日、サイバーエージェント株式会社Ameba事業本部のGeneral Managerを務める小池政秀氏が登壇。5月末から展開予定のスマートフォン向けプラットフォーム事業「デカグラフ」の構想を語った。

 デカグラフは、同社が命名したスマートフォン向けプラットフォーム事業。ロードマップは、1)スマートフォン版「Ameba」をSNSとしてリニューアル、2)内製のコミュティサービスを大量投入、3)ソーシャルゲームを順次投入――という流れだ。

デカグラフのロードマップデカグラフのイメージ

 プラットフォームの特徴としては、「コネクト」「コミュニティプラットフォーム」「ゲームコンテンツのオープン化」という3つが挙げられるという。

 コネクトの特徴はFacebook、Twitter、Google、mixi、Yahoo! JAPANのいずれかのアカウントがあれば、Amebaの会員登録不要でログインできるようにしたこと。もちろん、既存のAmebaユーザーも移行可能だ。「ここまで複数のアカウントをコネクトできるスマホプラットフォームはしばらくは登場しない。まずはこの部分で特徴を出したい」と小池氏は話す。

 コミュニティプラットフォームとしては、男性や女性だけでなく、主婦やペットオーナーなどさまざまな属性のユーザーが楽しめるコミュニティを目指す。例えば、手料理でつながるSNS「ペコリ」、交換日記型SNS「wakka」、女性限定ダイエットSNS「GIRLS UP」など、8月までに20の内製コミュニティサービスを投入。年内には内製で100サービスを用意し、ブログやアメーバピク以外の利用者層を開拓する狙いだ。

コネクトについてコミュニティプラットフォームについてリリース予定のコミュニティサービス

「四番煎じ」のゲームオープン化、女性中心のイメージ脱却も

サイバーエージェント株式会社Ameba事業本部のGeneral Managerを務める小池政秀氏

 ゲームコンテンツのオープン化については、5月末をめどにAmeba上で外部のゲーム会社がコンテンツを配信できるようにする。ゲームのオープン化は他者が大きく先行し、「四番煎じ」(小池氏)の状況。オープン化ではゲームの量を拡大しつつ、内製ゲームやアメーバピグを活用したゲームで独自性も追求するという。

 「他社のゲームコンテンツに頼るのではなく、まずは自分たちで流行らせるきっかけを作る。Amebaとしてゲームの“あたり”をつかんで、外部のゲーム会社にノウハウを提供していくことで、新しいゲームプラットフォームとしても存在感を出していきたい。」

 デカグラフについて小池氏は、Ameba内外のコミュニティサービスを統合するプラットフォームとしてのポジションを目指すと説明。また、アメーバピグをはじめとする「女性中心」のイメージから脱却を図り、今後は全方位的にターゲットを拡大すると意気込みを語った。デカグラフのサービスは5月末から順次展開していく予定だ。

ゲームコンテンツのオープン化についてリリース予定のゲームコンテンツ

関連情報

(増田 覚)

2012/5/11 19:06