ニュース

世界初の見開き型「2画面電子ペーパー楽譜専用端末」商品化へ、ワコムのペン入力技術で書き込みもOK

電子楽譜端末「GVIDO」の試作イメージ

 テラダ・ミュージック・スコア株式会社は、「2画面電子ペーパー楽譜専用端末」を世界で初めて開発したと発表した。今後、音楽関係者向けの見本市などに出展して意見を集め、早期の商品化を目指す。

 今回発表された端末の名称は「GVIDO」。11世紀初頭に五線譜の礎を考案したとされるGuido d’Arezzoにちなんで命名された。ハードウェア仕様の面では、E Ink製の13.3型・16階調グレースケールのフレキシブル電子ペーパー「Mobius」を2枚組み合わせて見開き型としている点が特徴。使用時のサイズは480×310×5.9mm(幅×高さ×厚さ)となり、これは一般的な楽譜とほぼ同じサイズ感という。なお、重量は約650g。内蔵リチウムイオン電池と電子ペーパーの組み合わせにより、長時間の連続使用を可能としている。

 あわせて、株式会社ワコムのペン入力技術「feel」も採用した。電磁誘導方式でのペン入力により、譜面にメモを書き込んだり、消したりできる。

 サポートするファイル形式はPDFで、手書き内容やブックマークなどとともに保存できる。また、IEEE 802.11a/b/g/nおよびBluetooth 4.0による通信も可能。将来的には電子楽譜の直接購入などが行えるとしている。内蔵メモリ容量は8GB、microSDカードにも対応する。

 GVIDOの試作機は、フランス・カンヌで6月3日~6日に開催される国際音楽産業見本市「midem」に出展し、来場者の意見を募る。

 開発元のテラダ・ミュージック・スコアは、寺田倉庫株式会社が、製品デザインなどを手がける株式会社F55クリエイティブデザインスタジオと共同で2015年7月に設立した企業。電子楽譜に関する事業を専門的に行うとしている。