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デジタルガレージ、カカクコム、クレディセゾンが研究開発組織「DG Lab」設立、AIとブロックチェーン分野に注力
2016年7月5日 19:09
株式会社デジタルガレージは4日、株式会社カカクコムおよび株式会社クレディセゾンと協業し、研究開発組織「DG Lab」の設立を発表した。
DG Labでは「デザイン×データ×テクノロジー」をキーコンセプトとし、ブロックチェーン、人工知能、VR/AR、セキュリティ、バイオテクノロジーの5つの分野において高い技術を持つ国内外の投資先企業と連携。新たなプロダクトやサービスの基礎となる研究成果を生み出すことを目的としている。
協賛パートナーには、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所、株式会社横浜銀行、株式会社パルコ、株式会社りそな銀行、大和証券グループ、弁護士ドットコム株式会社、株式会社アイリッジ、TIS株式会社、株式会社電通サイエンスジャム、株式会社講談社などが参画。現在、10~15社が参画を検討しており、最終的には50~60社を見込む。
「まずは日本を代表する大手企業に参加してもらい、各セグメントごとの企業と連携する。2020年のオリンピックまでを第1フェーズとして、市場に残るものを作っていきたい。」(デジタルガレージ代表取締役社長兼グループCEOの林郁氏)
特にブロックチェーン、人工知能の分野に注力し、研究開発を進める予定。DG Labは、カナダBlockstreamの技術支援を受けながら、ブロックチェーンを利用した、クレジットカードなどさまざまなポイントやバリュー、仮想通貨などのエクスチェンジシステムや、地域マネー、電子マネーなどのプラットフォーム、契約執行や価値移転、権利許諾などの自動化を行うスマートコントラクトの基盤技術を開発する予定。
Blockstreamは、ブロックチェーン関連サービスの開発を促進するためのオープンプラットフォーム技術「サイドチェーン」の開発を手がけている。サイドチェーンは応用することで、仮想通貨や電子マネー、他国通貨、個人間送金でも活用できるという。
デジタルガレージ取締役の踊契三氏は、「現在さまざまなポイントサービスが乱立し、消費者側はメリットが分かりにくい。また、他の仮想通貨や他国通貨への互換性はビジネス上の需要として将来的に訪れると思う。ブロックチェーンが国際的なスタンダードになれば、プラットフォームを作ることは長期的に見てメリットがあることを実験で検証していく」と述べた。
デジタルガレージ取締役の伊藤穰一氏は、ブロックチェーンは法律、金融業界などにインパクトを与えるが、規格が定まっていないことを指摘。今後は基礎研究、規格、インフラの構築、人材の育成が重要になるとした。
人工知能では、株式会社電通と共同で設立したデジタルガレージ子会社の株式会社BI.Garageが手がけるデータサイエンス事業への応用を推進する予定。クレディセゾンが保有する購買・決済データと、カカクコムの持つウェブ行動データ、電通グループの保有する広告関連データをもとに、人工知能で分析した結果に基づくサービスやビジネスを開発していく。
AI関連プロジェクトについて、デジタルガレージ執行役員の篠寛氏は、「データマーケティングにおいても、レコメンデーションエンジンや検索エンジンを用いた集客活動はすでに行われているが、日本はAIテクノロジーを保有する企業・人材が少ない。これらをマッチングする環境、スピード感を持った取り組みをDG Labで行っていきたい」と意気込みを語った。
カカクコム執行役員の宮島壮洋氏は「今までのデータマーケティングではAIは検索の補助程度に使われていた程度のものだったが、今後はユーザーにパーソナライズされた高精度のものになると思う。例えば、量販店で店員からおすすめ商品をレコメンドされるように、AIがデータに基づいた商品をレコメンドするようなものができるだろう」と述べた。