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アマゾンジャパン、国内初の“可動式商品棚”を物流センターに導入

 アマゾンジャパン合同会社は6日、国内13カ所目となる新たな物流センター「アマゾン川崎FC(フルフィルメントセンター)」(神奈川県川崎市)を報道陣向けに公開した。

 アマゾンジャパンでは、全国8都道府県(千葉県・大阪府・埼玉県・佐賀県・岐阜県・神奈川県・東京都・兵庫県)13カ所の物流センターと、Amazonプライム会員向けサービス「Prime Now」専用の物流センターを5カ所稼働している。今回公開された川崎FCは8月より稼働開始しており、延床面積は約1万2000坪(約4万平方メートル)となる。

 同社では国内初となる可動式の4面棚と、商品棚を動かす「ドライブ」による物流体制強化システム「Amazon Robotics」を川崎FCに導入。同システムは入荷商品の棚入れおよび注文商品の棚出し工程を担っている。従業員の作業場となる各ステーションへ自動で棚を搬送することで、商品入荷から出荷までの工程処理時間の短縮、効率化を実現する。

 ドライブの重量は約145kg。積載可能重量は約340kgで移動速度は秒速約1.7m。施設内への導入数やシステムの詳細については非公開だったが、同センターのコントロールシステムが全ドライブの動きを制御しているという。

商品棚を動かす「ドライブ」
在庫を収納する4面棚。商品を収納する棚位置は毎度異なる

 仕入れ元から商品が届いた場合、従業員はモニターに表示される棚位置を参考に在庫登録・収納を行う。川崎FCでは小物~中物を専用に扱っているため、商品を収納する棚スペースは最大みかん箱程度の大きさまでになるという。

 出荷作業時は顧客から注文が入った該当の棚が自動的にステーションへ移動する。従業員から近い位置かつ取り出す商品点数が多い棚を優先的に移動させているそうだ。

棚入れ作業時。作業完了時はモニター下に貼り付けられたバーコードを読み込んで棚を移動させる
棚が自動的にステーションへ移動するため、棚出し作業時も従業員が移動する手間を省くことができる

 アマゾンジャパンでは12月6日~12日まで「サイバーマンデーウィーク2016」を開催し、今年は2015年の約2倍となる2万点をタイムセール商品としてラインアップする。サイバーマンデーや、Amazonプライム会員のユーザーが年々増加していることもあり、これらの需要にスピーディーに対応するためAmazon Roboticsを導入したという。

 アマゾンジャパンバイスプレジデントプライム統括事業本部長の紣川謙氏は、「豊富な品揃え、求めやすい価格、Amazon Roboticsが実現する高い利便性、これら3つの要素をもってユーザーに楽しんでいただく準備をしている」と述べ、新システム導入への期待を述べた。

 アマゾンジャパン社長のジェフ ハヤシダ氏も同様に、物流スピードを上げることでより良いサービスを実現していきたいと意気込みを語った。

(左から)アマゾンジャパン社長のジェフ ハヤシダ氏とバイスプレジデントプライム統括事業本部長の紣川謙氏
アマゾン川崎FCの外観。アマゾンジャパンは2012年に12月の第2月曜日をサイバーマンデーとして日本記念日協会に申請し、認定された。米国では、感謝祭(11月の第4木曜日)の休暇明けの翌月曜日が該当するが、国内のアマゾンでは12月の第2月曜日が年間で最も多くの利用者を集めているそうだ