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個人がAmazon.co.jpで紙のコミック書籍を出版可能、インプレスR&D「著者向けPOD出版サービス」が対応拡大

12月26日には、個人出版に関心がある人向けの説明会を実施

 株式会社インプレスR&Dは、個人著者の作品を紙書籍としてAmazon.co.jpで販売できる「著者向けPOD出版サービス」において、コミックの取り扱いを開始する。裁ち落としのある印刷データの取り扱いに新たに対応し、用紙の端まで写真や図柄などの配置が可能になった。これにより、紙面全面を使った表現を使うコミックや写真集などの書籍をモノクロ印刷もしくはカラー印刷で出版できるようになった。

 著者向けPOD出版サービスは、Amazon.co.jpが提供する「プリント・オン・デマンド(POD)プログラム」(以下、Amazon POD)を活用した紙書籍のセルフパブリッシングサービス。書籍を1冊販売するごとに、Amazonが定める印刷費(モノクロページ数×2.5円+カラーページ数×6.9円+180円)と販売手数料(販売価格の40%)が発生するが、書籍の販売価格は印刷費+販売手数料を上回る価格であれば100円単位で自由に設定可能。この差額を著者が利益として受け取ることができる。Amazon.co.jpで販売するための登録料やサービスそのものの利用料はかからない。

 販売前に見本書籍を作成することも可能で、モノクロ書籍が810円~、カラー書籍が1430円~(価格はいずれも税別)。送料の500円も別途必要になる。

 有料オプションとして、「印刷用表紙データ作成支援」(2000円)、「印刷用本文データ作成支援」(5万円~)、「表紙作成」(5万円~)、インプレスR&Dが保有するISBNコードが付与される「流通効率化支援」(5000円)といったサービスも用意している。

 さらに今回、著者個人が保有するISBNコードを割り当てられるオプション(5000円)も新たに追加された。ISBNは、書籍特定用に世界共通で定められた番号で、通常は出版社が自ら出版する書籍に使用するもの。インプレスR&Dによると、日本では最小10個単位での付番となっているため、個人で保有している事例はかなり限定されている。一方で、米国ではISBN管理団体が1個単位で付番しており、セルフパブリッシャーで紙書籍を出す人は取得しているという。

 「ISBNは自ら出版物を印刷・製本する人が使うものであるため、従来型の自費出版ではわざわざ取得する必要はなかった。しかしながら、POD出版ならば在庫を持つことなく、自ら出版物を印刷・製本できる機会が得られる。つまり、自らが本当の意味での“出版者”になれるのがセルフパブリッシング。セルフパブリッシングで出版する書籍には、自ら取得したISBNも付けられるのがベスト。まだまだ日本ではなじみはないが、自ら取得したISBNを割り当て出版できる新しいサービスとしてPOD出版を定着させたいと考えている。」(インプレスR&D)

 なお、12月26日には「著者向けPOD出版サービス」に関する説明会を都内で実施する。参加費は無料、定員は30人。現在、参加申し込みを受け付けている。コミックに限らず、個人出版に関心があれば誰でも参加可能としており、PODの仕組みから利用方法、執筆に関するアドバイスなどを受けることができる。参加特典として、Amazon PODで実際に印刷・製本した書籍が1冊プレゼントされる。