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Mozilla、インターネットの健全性を分析した「インターネット・ヘルスレポート」公開

 米Mozillaは19日、インターネットの健全性に関する40ページの英文レポート「インターネット・ヘルスレポート」のバージョン「0.1」を公開した。今後は各国語への翻訳も予定されている。

 インターネット・ヘルスレポートは、「あらゆるデバイスが接続され、生活になくてはならないインフラとなっているインターネットが“健康な状態”にあることは重要」との考えの下、インターネットの健康状態を5つの視点から分析したもの。

 今回は公開されたのは、そのプロトタイプと位置付けられている。今後は、オープンなプロジェクトとして世界中からフィードバックを集めながら更新を続け、11月にバージョン「1.0」を公開予定。その今後は定期的に刊行される。

 5つの視点とは、誰もが許可なく自由にウェブ上で発信したり、発明したりできることを意味する「Open Innovation」、すべての人が生活や社会の向上のために、インターネットへのアクセスについて平等な機会を持つ「Digital Inclusion」多数のデバイスがオープンなネットワークで相互接続され、特定の誰かが全体の所有やコントロールをできない状態を表す「Decentralization」、インターネットのセキュリティと安全性に加え、自分のデータの使われ方を知り、コントロールする能力を身に着ける「Privacy and Security」、すべての人がインターネットに参加し、読んだり使ったりするだけでなく作る側に回りために必要なスキルを得る「Web literacy」と解説されている。

 Mozilla Foundationエグゼクティブディレクターのマーク・サーマン氏は英文のブログで、「インターネットはもはや環境となっており、IoTやAIによる革新は人間の生活や社会に良い影響を与え、人々の幸福やプライバシー、経済、民主主義に直接の影響を与える」とした上で、1960年代の環境学者を引き合いに、これがインターネットの健全性を考える十分な理由になるとして今回のレポートへの取り組みの理由としている。