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日本の保護者は子どものネット利用を放任? ウェブアクセス制限もわずか8%~マカフィー調査

 マカフィー株式会社は30日、日本を含む14カ国で、日常的にインターネット接続デバイスを使用している18~55歳以上の1万3000人を対象に実施したアンケート調査「インターネットに接続された世界の新たな家族のカタチ」の結果を発表した。

デバイス使用時間の制限

 「デバイスは保護者自身が管理し、自分の目の届く範囲でしか子どもにデバイスを使わせない」と回答した保護者は、14カ国の平均では35%、日本ではそれを下回る20%だった。デバイスの使用時間に関しては、子どもに「1日あたり1~2時間」の使用を認めている保護者が14カ国平均で48%、日本では33%。「1時間未満」は14カ国平均で20%、日本では40%だった。一方で、インターネット接続デバイスの使用を「制限していない」との回答は日本では45%に上り、14カ国平均の31%を上回った。

 また、14カ国平均で76%、日本では79%の保護者が、子どもがインターネット接続デバイスを寝室やベッドに持ち込むことを認めている。一方、寝室やベッドへのデバイスの持ち込みについて子どもを叱ったことがあるとの回答は、14カ国平均で32%、日本では21%だった。日本では子どものデバイス利用に関して、保護者からの監視が緩やかであることが伺える。

 また、全体の36%の保護者が、家族団らんの時間にスマートフォンやPCなどのデバイスを使用して子どもから非難されたことがあるという。この数字は日本でが18%で、調査対象国で最低だった。

 マカフィーではデバイスの利用について、自宅ではSNSの使用時間を制限する、夕食や家族団らん中は携帯電話を見ないなど、保護者自身が子どもの手本として行動する必要があるとしている。

不適切なウェブサイトのブロック

 ウェブ閲覧履歴から、子どもが不適切なウェブサイトにアクセスしているのを発見したことがある保護者は14カ国平均で34%、日本では17%だった。

 子どものインターネット上での行動を監視するソフトウェアを導入している保護者は全体の23%で、日本は調査対象国中で最低の8%だった。日本では他国と比較して子どものインターネット接続デバイスの使用が放任されているのが実態だ。

インターネットに潜む危険性の周知

 インターネットに潜む危険を子どもに伝えることの重要性については、14カ国平均で約85%の保護者が、子どもにインターネット上のリスクについて話したことがあり、諸外国では、しばしばインターネット上のリスクについて家族で話し合われている。しかし、日本では14カ国中最下位の64%で、話し合いの機会がより少ないという傾向となった。

 子どもがインターネット上でSNS上の危険人物やサイバー犯罪者と連絡を取る可能性については、14カ国平均で80%の保護者が憂慮している。しかし、日本では61.5%となり、14カ国中オランダに次いで2番目の低さだった。

 マカフィーではこの結果について、保護者がインターネット上の危険性を十分に理解していないか、自身の子どもに対する差し迫った危険とは認識していない状況を示していると指摘、幼少期からインターネット利用が日常的な状況下で、リスクに対する知識がまだ十分ではない子どもに対してSNSなどを悪用してだます手口には、保護者も十分に注意する必要があるとしている。

 また、インターネットの利用に関するリテラシーが十分でない子どもに対し、保護者が定期的に注意を喚起するなど、セキュリティ意識の向上を図るほか、インターネット上のリスクについては早い段階で伝えることが重要で、例えば「知らない人から届いたメールは開かない」などの簡単なルールから始めるのことを推奨している。

 マカフィーでは調査結果について、不適切なウェブサイトのブロック、デバイス使用時間の制限、ときにはインターネット接続自体を完全に切断するといった、保護者が家庭内のインターネット接続を簡単に管理できる手段が必要であることを明確に示しているとして、家庭で所有するすべてのインターネット接続デバイスを管理する必要性についても説いている。