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Google、機械学習ライブラリ「TensorFlow 1.0」正式版を初リリース

新コンパイラー「XLA」採用、8GPU環境で7.3倍、64GPU環境で58倍高速化

 Googleは15日、オープンソースの機械学習ライブラリ「TensorFlow 1.0」をリリースした。

 TensorFlowは、これまでベータ版として提供されており、すでに6000以上のオープンソースレポジトリで採用され、翻訳、皮膚がんの早期発見、糖尿病網膜症の防止などで成果を上げている。

 TensorFlow 1.0では、CPUとGPUで利用可能なコンパイラー「XLA」を実験的に採用。8GPU環境で7.3倍、64GPU環境では58倍の高速化を果たしている。

 また、tf.layers、tf.metrics、tf.lossesの各APIモジュールにより、開発の柔軟性が高められたほか、tf.kerasモジュールへの対応により、高レベルのニューラルネットワークライブラリ「Keras」も利用可能になっている。

 さらに、Python APIの呼び出しがNumPyに近いものに変更され、既存のコードをそのまま活用しながら新機能を利用できるという。

 このほか、新たにJava APIも利用可能になったほか、コマンドラインインターフェースとAPIによる「TensorFlowデバッガー」も搭載。pip install tensorflowコマンドによるインストールも可能になっている。

 ディープラーニングによるオブジェクト検出機能を活用した人物検出とトラッキング、カメラをベースとした画像デザインに関するAndroid環境向けのデモプログラムも追加されている。

 なお、Googleでは、TensorFlowの開発者向けサミットを初めて開催しており、YouTubeで各講演を閲覧できる。