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夏の安易なWi-Fi接続にはリスクも! 公衆無線LAN利用時に留意すべきこと

 夏季休暇シーズンを控え、旅先の公衆無線LAN(公共Wi-Fi)などでのインターネット利用に関して、マカフィー株式会社が注意を呼び掛けている。「保護されていないWi-Fiへの安易なアクセスが、セキュリティ面でのリスクになる」としている。

 休暇中をオフライン環境で過ごす“デジタルデトックス”について、日本を含む7カ国の18~55歳のユーザー9513人を対象に行った調査によると、旅先でも常にインターネットにつながっていたいと望むユーザーが多数を占めたという。特に日本では71%が、メールの送受信やSNS投稿などのために1日1時間以上インターネット接続デバイスを利用していた。この数字は調査した7カ国中トップで、2位のインド(60%)を大きく引き離していた。

 「主に公共Wi-Fiを使ってインターネットに接続している」との回答は、7カ国平均で35%だったのに対して、日本は46%で最多。「日本では公共Wi-Fiが普及し、あらゆる場所で利用できる便利さがある一方で、その分セキュリティ上のリスクも高いことが分かる」としている。

 「Wi-Fiの安全性を確認する方法を知っている」と回答したユーザーは、日本では46%で、7カ国平均の54%を下回った。「実際にWi-Fiの安全性を確認している」と回答したユーザーも33%で、7カ国平均の46%を下回っている。

 また、「Wi-Fiのセキュリティについて特に考慮をしていない」との回答は、7カ国平均が19%、日本が18%でほぼ同率。一方、「保護されていないWi-Fiを使用するかどうかはインターネット接続の必要性に応じて判断する」との回答は、7カ国平均の35%に対し、日本では49%と約半数に上った。

 マカフィーは、公共Wi-Fiの安全性や、保護されていないWi-Fiのリスクに関して、以下のように説明・アドバイスしている。

  • まず前提として、公共Wi-Fiは、そもそも利便性を重視しているため、セキュリティが十分ではないことを認識する必要がある
  • 基本的に公衆Wi-Fiで個人情報などの重要な情報は通信しない
  • Wi-Fiの暗号化方式がより安全なものであること(WPAやWPA2)を確認する
  • どうしても必要な場合はセキュリティソフトを使用する(デバイスを保護するアプリや通信を暗号化する「Safe Connect」などのVPNアプリ)
  • 自身のデバイスの「ファイル共有」をオフにする
  • アクセスするサイトが「SSL通信」で保護されていることを確認する

 さらに、正規のアクセスポイントと同じSSIDや暗号化方式・暗号化キーを設定したアクセスポイントを悪意あるユーザーが設置しているケースも想定される。こうした悪意あるアクセスポイントに自動的に接続してしまわないよう、信頼できるアクセスポイント以外では、Wi-Fiの自動接続機能(一度接続したことのあるアクセスポイントに優先的に接続する機能)を無効化することも対策として推奨。「基本的に、知らないアクセスポイント名で、パスワードやIDを求められない場合は、安全ではないと考え、接続は避けるべき」としている。

 「夏の旅行シーズンは多くの人にとって大変楽しみなもの。しかし、それはサイバー犯罪者にとっても同様で、慣れない設定方法でインターネットに接続する旅行者を標的にしているかもしれない。ハッキングされやすい危険なWi-Fiアクセスポイントを利用するなど、セキュリティよりも利便性を優先させるのであれば、あなたの個人情報は危険にさらされてしまう。現在では、多くの場所でWi-Fiに接続できるため、休暇中でもインターネットから離れることは難しいかもしれないが、意識してオフラインにすることで、より安全な旅を楽しむことができる。」

 なお、調査では、休暇の一部または全部をオフラインで過ごしたとの回答は、7カ国平均で31%だったが、そのうち79%が「旅行を楽しめた」と回答しており、意識してオフラインにすることで、より安全な旅を楽しめるとしている。

 米Mcafeeチーフコンシューマーエヴァンジェリストのギャリー・デイビス氏は、「デバイスは私たちの生活の一部として、ますます多くの場面で利用されているが、休暇中にデバイスを使用する際には注意が必要。基本的なセキュリティ対策を取り、不要なリスクを避けることができれば、個人情報を保護し、安心してインターネットに接続して、旅行をもっと楽しむことができる」と述べている。

米Mcafeeチーフコンシューマーエヴァンジェリストのギャリー・デイビス氏(2017年6月のプレス向けラウンドテーブル出席時)