ニュース

難読地名も音声読み上げ、機械判読可能な地名データを国土地理院がウェブ提供

 日本国内の地名情報を機械判読可能なデータ形式でウェブ提供する実験を、国土地理院が8月4日より実施している。データに含まれている“読み”の情報を活用すれば、難読地名をひらがなで確認したり、音声で読み上げてもらえる地図も開発できるという。地理教育現場や、日本の地名に不慣れな外国人旅行者向けの“しゃべる地図”など、地図の利用の幅が広がるとしている。

 国土地理院が行っている「ベクトルタイル提供実験」の1つとして公開するもの。同院が整備している地名情報のうち、「居住地名」「自然地名」「公共施設」「住居表示住所」について、GeoJSONタイルに変換したデータを提供する。このうち「居住地名」「自然地名」において、属性情報の1つとして読みが含まれている(都道府県名・市区町村名の読みは除く)。データの仕様などについては、GitHubに掲載している。

提供するデータの仕様などの情報は、GitHubに掲載している

 実験で提供する地名情報は、国土地理院のウェブ地図サービス「地理院地図」にも実験的に実装されており、誰でも参照可能だ。ズームレベル15~18の地図上で「地名情報(居住地名)」「地名情報(自然地名)」「地名情報(公共施設)」「地名情報(住居表示住所)」を表示できるため、それらの文字列をクリックすることで、種別、行政コード、都道府県・市区町村名称、住所などの属性情報がバルーン表示される。

 読みが含まれる「地名情報(居住地名)」「地名情報(自然地名)」については、音声読み上げ機能が実装されているウェブブラウザーでは、バルーン表示と同時に音声読み上げも行われる。

「地理院地図」で表示される地名情報の例。「地名情報(居住地名)」については“読み”の情報も含まれており、音声読み上げも行われる