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9月8日15時以降、GPS誤差や地磁気変動に注意、大規模な太陽フレア現象発生に伴いNICTが呼び掛け

 大規模な「太陽フレア」現象の発生を確認したとして、9月8日15時から翌9日0時まで、宇宙天気の変動に注意するよう、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が呼び掛けている。

人工衛星SDOで観測された可視光(左)と紫外線(右)による太陽画像

 日本時間の6日、太陽面の中央に位置する黒点群2673において、大型の太陽フレア現象が2回発生。うち20時53分に発生した現象の最大X線強度はX9.3で、通常の100倍以上に及ぶという。このクラスの現象は、2006年12月5日に観測したX9.0以来11年ぶりとのこと。なお、17時50分に発生したもう一方の太陽フレア現象の最大X線強度はX2.2。

 これに伴って、地球方向へのコロナガスの噴出が観測されており、8日15時から翌9日0時にかけて地球に到来することが予測される。その影響により到来後数日間にわたって地球周辺の宇宙環境や電離圏、地磁気が大きく乱れる可能性がある。これにより、通信衛星・放送衛星などの人工衛星の障害、GPSを用いた高精度測位の誤差の増大、短波通信障害、急激な地磁気変動に伴う送電線への影響などが生じる恐れがあるという。

 この黒点群2673は現在、太陽面中央西寄りにあるもので、今後1週間ほど、地球に影響を与える可能性があり、注意が必要だとしている。

人工衛星GOESによって観測されたX線強度