デイリーポータルZの林雄司氏が「気になるWeb人で賞」受賞


受賞者一同とWebクリエーション・アウォード審査委員長の渡辺春樹氏(1列目中央)
ニフティの林雄司氏

 社団法人日本アドバタイザーズ協会のWeb広告研究会は29日、Webの世界に貢献した人を「Web人」として称える「第7回Webクリエーション・アウォード」の贈賞式を東京・港区の明治記念館で開催した。

 Webの世界で最も活躍した人に贈られる「Web人大賞」は、サントリーホールディングスの石原洋子氏と小林恵氏が受賞した。サントリー公式ブログ「サントリートピックス」における取り組みが評価された。

 石原氏は、「ブログを通してハイボールを広めるため、記事をこつこつと書いたり、ブロガーイベントなどをやってきた。それだけでなく、営業や宣伝活動もあわせて展開した結果、ハイボールが飲める店は4万5000店に増えた。ブログの読者にも感謝したい」とコメントした。

 また、一般投票で最も多くの投票があった人に贈られる「気になるWeb人で賞」は、ニフティの林雄司氏が受賞した。「デイリーポータルZ」における長年の企画・運営が評価された。贈賞式で林氏は、「デイリーポータルZ」の携帯電話向け有料会員サービスを示す「友の会¥105」とプリントされたTシャツを着て登壇した。

 林氏は、「28日から携帯サイトを始めたのでTシャツに書いてみたのですが、(会場では)微妙な空気が流れてます」と苦笑い。「デイリーポータルZは、始めてから7年になりましたが、一度も利益を上げていません。自分は好きにやってきただけ。それでも続けさせてくれた会社や読者のお陰です」とコメントした。

「Web人賞」では個人サイトの運営者も受賞

オリコムの武富正人氏
第7回Webクリエーション・アウォードの各賞受賞者

 「Web人 of the year」は、株式会社オリコムの武富正人氏が受賞した。デジタルマーケティングに関するカンファレンス「ad:tech」の日本初開催に向けた取り組みが評価された。

 武富氏は、「国際カンファレンスは日本でやると成功しないというジンクスがあったが、『ad:tech』と親和性の高いWeb広告研究会の賛同で成功を確信した」と話す。「ad:tech」における海外からの日本の評価については、「日本人のスピーカーのレベルは高い。日本人の講演は人気」だという。

 「Web人賞」には、マピオンの加藤隆志氏が選ばれている。携帯電話向けサイト「ケータイ国盗り合戦」の企画において新たな地図のあり方を実現したほか、その運営においては、クロスメディアの媒体特性を活かした事業展開が評価された。加藤氏は、「“日本人のハートに火を付ける”ことをコンセプトにサービスを作った。それが評価を得たことは嬉しい」とコメントした。

 「Web人賞」では、このほか、個人制作のコンテンツが評価された受賞者もいる。星占いなどのテキストコンテンツサイト「筋トレ」を運営する石井ゆかり氏や、毎日更新の面白ネタサイト「僕の見た秩序。」を運営するヨシナガ氏だ。ヨシナガ氏は、「個人サイトを長く続けていたら、本になったり、賞をいただいたりした。これからクリエイターを目指す人は、Webを通じて発表することをおすすめする」とコメントした。

 なお、「第7回Webクリエーション・アウォード」の推薦総数は過去最多の123件で、受賞は11組だった。Web広告研究会Webマーケティング年鑑プロジェクトリーダーの小川亨氏は総評として、「7回目になるが、Webに貢献した『人』を称えるという試みは一定の認知を得たのではないかと思う。今回も受賞者の顔ぶれは多岐にわたり、企業ではなく個人のWebコンテンツで受賞されている人もいる。『人』に焦点を当てた本アウォードとしては嬉しいこと。同時に、Webの世界では個人でも企業のコンテンツに匹敵するユーザーを得ることが可能だと証明した」とコメント。次年度に向けての課題は、「推薦や会員の投票数を増やすこと。PRや告知の方法も今年よりさらに考えていきたい」とした。


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(野津 誠)

2009/9/30 11:00