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Winny開発者裁判は最高裁へ、大阪高検が上告


10月8日の判決後に会見を行った金子勇氏(中央)と弁護団

 ファイル共有ソフト「Winny」を開発した金子勇氏が著作権法違反の幇助罪に問われ、二審の大阪高裁で逆転無罪判決を受けた件について、大阪高等検察庁は最高裁に上告した。弁護側に21日、連絡があった。

 この事件は、2003年に著作権法違反で逮捕されたWinnyのユーザー2人について、Winnyを開発した金子氏がその犯行の幇助にあたるとして逮捕・起訴されたもの。

 一審の京都地裁は2006年12月13日、Winny自体は価値中立的なソフトであるとした上で、Winnyで著作権侵害となるファイルが広くやりとりされていることを知りながら、開発・公開を続けたことは幇助にあたるとして、罰金150万円の有罪判決を言い渡した。

 これに対して二審の大阪高裁は2009年10月8日、価値中立的なソフトの提供者が著作権法違反の幇助と認められるためには、ソフトの利用状況を認識しているだけでは条件として足りず、ソフトを違法行為の用途のみ、あるいは違法行為を主要な用途として使用させるように勧めている必要があるとする新たな判断基準を提示。金子氏はWinnyで違法なファイルをやりとりしないよう注意喚起しており、著作権侵害の用途のみに使用させるように提供していたとは認められないとして、無罪判決を言い渡した。

 なお、インターネット関連技術の研究開発を行うWIDEプロジェクトは21日、大阪高裁の判決と技術者の社会的・道義的責任についてのコメントを発表している。

 WIDEプロジェクトは、大阪高裁が出した無罪判決を「妥当なものとして支持」すると述べるとともに、「この事件は、技術者が果たすべき社会的・道義的な責任についての議論も呼び起こした」と指摘。その上で、「技術者が中立的な技術を開発した結果として逮捕され、その改善や新たな貢献が束縛されるような社会は、本当の意味で安心で安全な社会であるとは言えない。そのような逮捕は、安心・安全社会の基礎である、思考と探求に対する脅威となる」と訴えている。


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(三柳 英樹)

2009/10/21 18:19

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