グーグル、日本語入力ソフト「Google日本語入力」を公開

Web上の大量のデータから辞書や変換エンジンを構成


Google日本語入力

 グーグルは3日、日本語入力ソフト「Google日本語入力」ベータ版を公開した。対応OSはWindows 7/Vista/XP(32bit版のみ対応)およびMac OS X 10.5以上。

 「Google日本語入力」は、グーグルが新たに開発した日本語入力ソフト。ネットワーク経由での変換ではなく、辞書や変換エンジンはPC側で持っているため、オフラインでも利用できる。単語の辞書は、Webから機械的・自動的に生成することで、新語、専門用語、芸能人の名前などを網羅的に収録。また、高い変換精度を実現するために、Web上の大量のデータから統計的言語モデルを構築し、変換エンジンを構成しているという。

 機能面では、ユーザーの入力パターンに合わせて変換候補を表示するサジェスト機能や、入力途中の文字から単語を推測する予測変換機能などを搭載。また、日本語モードのまま「hっtp:・・」と入力すると「http://」に自動的に変換されるなど、URLの入力もしやすいように工夫されている。

 グーグル日本法人の公式ブログによれば、Google日本語入力は、グーグルのソフトウェアエンジニアである工藤拓氏と小松弘幸氏の「20%プロジェクト」により開発を開始。工藤氏はGoogleの「もしかして」機能を担当しており、誤変換に起因するスペルミスを「もしかして」のシステムが高い精度で修正していくことから、「Google日本語入力」の可能性を確信したという。

 また、別のチームにいた小松氏はオープンソースの日本語入力システムの作者で、工藤氏と小松氏の2人で始めたプロジェクトには、その後Anthy、skkime、MeCabなどの日本語処理システムや日本語入力システムの開発に携わっていたエンジニア、各種OSの開発経験者などが参加。「Google日本語入力」には、こうした自然言語処理や各種プラットフォームの開発経験者たちのノウハウが凝縮されたものだとしている。


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(三柳 英樹)

2009/12/3 12:12