社員のWeb閲覧状況を把握する手段、多いのは「社長が見回る」
ネットスターは14日、従業員300人未満の中堅・中小企業の経営者と従業員を対象に実施した「職場でのインターネット利用実態調査」の結果を発表した。経営者は、「常識の範囲内」であれば、業務に関係のないWebの閲覧を容認する傾向にあることなどがわかった。
調査は2009年12月8日・9日、マクロミルに委託してWebアンケートで実施。経営者412件、従業員412件の有効回答を得た。なお、業務目的外のWeb閲覧には、業務で調べものをしていて関係のないニュースや検索結果を見てしまう「つい脱線型」、プライベートの旅行予約やランチ情報検索などの「目標達成型」といったパターンがある。
従業員が定時時間内に業務目的外でWeb閲覧をしていることに気付いている経営者が53.9%、休憩時間では69.4%いる一方で、これを「やめさせたい」「減らしたい」と考える経営者は計32.5%にとどまり、「現状程度であれば問題ない」「特にやめさせる必要はない」とする経営者が計67.0%に上った。
業務目的外Web閲覧に対する経営者のスタンス |
「現状程度であれば問題ない」「特にやめさせる必要はない」とした理由(複数回答)は、「常識の範囲内でやっていれば問題ないと思うから」が80.3%で最も多く、以下は「気分転換は必要だと思うから」が42.1%、「いろいろ閲覧できるのがインターネットだから」が38.2%、「自分自身もやっていることだから」が21.0%、「会社に損失やリスクはないから」が20.6%と続く。
従業員に対して、業務に関係のないサイトを閲覧することについて考えを聞いた設問(複数回答)でも、「常識の範囲内でやっていれば問題ない」が63.1%、「気分転換は必要」が39.3%と多かった。
なお、従業員が業務に関係のないサイトを閲覧している時間は1日あたり平均10分未満とする回答が過半数を超えた。経営者が思っているよりも短い傾向が出たことから、従業員の自己抑制的な実態が見られるとしている。ただし、1時間以上とした従業員が12.9%いるほか、最長で1日4時間以上の経験がある従業員も6.1%いたことから、こうした、ごく一部の逸脱した行為への適切な対策が課題だとしている。
一方、「やめさせたい」「減らしたい」と考える経営者に、どのような方法で実施したいかたずねた設問(複数回答)では、通達(55.8%)やルール策定(45.1%)など、制度的な手法が上位だった。これに対して、会社がどのような対策をとったら業務目的外のWeb閲覧を控えるか従業員にたずねた設問(複数回答)では、アクセスログの収集(54.6%)やフィルタリングの導入(44.6%)といった技術的な手法が上位になった。経営者が考える対策と、従業員に効果のある対策はずれていることがわかった。
業務目的外Web閲覧時間について、経営者の想像と従業員の回答 |
このほか、組織内でどんなサイトが閲覧されているのか「すべて把握している」とした経営者は9.5%、「大体把握している」が35.2%、「あまり把握していない」が39.1%、「まったく把握していない」が16.3%となり、半数以上の経営者が状況を把握できていないと感じていることもわかった。
「すべて把握している」「大体把握している」と回答した経営者に、その方法として最も当てはまるものを聞いたところ、「自分自身が社内を見回っている」が30.4%で最多。調査対象が中堅・中小企業だったこともありそうだが、把握しているという経営者であっても、直感や偶然に頼っている場合が多いことが明らかになった。次いで、「フィルタリングを導入している」が21.8%(サーバー型、クライアント型、アプライアンス型、サービス型の合計)、「社内の担当者が定期的にアクセスログを確認している」が20.1%などだった。
経営者が考えている対策と、従業員に効果がある対策 |
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(永沢 茂)
2010/1/15 06:00
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