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職場での私的利用の有無
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ネットスターは5日、第5回「職場でのインターネット利用実態調査」の結果を発表した。職場での私的ネット利用の割合は前回調査よりも減少したが、個人の判断でプログラムをダウンロートしている人が半数近くに上った。また、会社にネット利用ポリシーがあるかどうかで従業員の行動や意識に差が出ることもわかった。
調査は7月7日と8日、職場でインターネットを利用している20代から60代までの1030人を対象にWebアンケート形式で実施した。今回の調査では、URLフィルタリング導入の有無でサンプルを半数ずつになるようにしたほか、従業員数30人未満から1000人以上までの5つの規模別でも均等になるように配分している。
まず、職場のPCからの私的利用の有無については、「利用する」が64.8%、「利用しない」が27.3%、「業務利用と私的利用の境界が分からない」が8%だった。私的利用をする人が6割を超えているものの、2006年7月の前回調査(有効回答404件)の78.2%からは減少した。
次に、「職場のPCから、ソフトや画像、動画などを自分から探してダウンロードしたことがありますか」との設問では、「ある」が46.8%、「ない」が53.2%。サイト運営元などを特に選ばずにダウンロードしている人も2割程度おり、不正コード侵入の可能性などが懸念されると指摘している。
一方、ダウンロードしたことが「ない」の理由は、「特にダウンロードしたいものがなかったから」(32.2%)が最多だが、「会社で禁止されているから」(29.2%)、「ウイルスなどをインストールしてしまうのではないかなど、なんとなく不安があるから」(27.9%)、「必要がない」(25.9%)も多く挙げられた。なお、法人規模別に見ると、1000名以上の会社では「会社で禁止されているから」(45.2%)が最多で、この理由を挙げる割合は規模が大きくなるに比例して高くなる。
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職場での個人的ダウンロードの有無と、ダウンロードをしない理由
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職場での個人的ダウンロードをしない理由(会社の規模別)
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● 職場での私的ネット利用率、ポリシーの有無で差異
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ネット利用ポリシーの有無(会社の規模別)
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私的利用の有無と、ネット利用ポリシーの有無との関連性
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インターネット利用上の禁止行為などを定めた会社のポリシー(ルール)の有無については、「ある」が57.5%、「ない」が37.9%、「分からない」が4.7%だった。これも会社の規模が大きくなるほど「ある」の比率が高まり、300人以上~1000人未満で70.4%、1000人以上で79.1%に上った。
最初に挙げた私的利用の有無の結果を、ポリシーの有無との関係で見ると、ポリシーがある会社では、職場で私的利用をするとした人が54%で、全体の平均よりも割合が低くなっている。一方、ポリシーがない会社では74.3%と平均よりも高かった。
意識面においてもポリシーの有無で差が見られた。職場での私的利用について「仕事をきちんとしていれば、問題ないと思う」と回答した人は、ポリシーがある会社では38%だったが、ない会社では54.4%に上った。逆に「あまりいいことだとは思わない」(ポリシーありで51.5%、なしで41.4%)、「してはいけないと思う」(ポリシーありで62.1%、なしで31.1%)は、それぞれポリシーがある会社の人のほうが多かった。
一方、ダウンロードに対しての意識は、「業務で役に立つソフトや動画などをダウンロードしているので問題ないと思う」とした人が、ポリシーあり・なしのいずれでも最も多かった。ただし、ポリシーありで42.6%、なしで53.6%という差はある。「ウイルスなどをダウンロードしてしまう可能性があるのであまりいいことだとは思わない」を挙げた人は、ポリシーありで43.6%、なしで25.8%と比較的大きな差が見られた。
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私的利用に対する意識(ネット用ポリシーの有無別)
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ダウンロードに対する意識(ポリシーの有無別)
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ネットスターでは今回の調査結果について、「全体として、ネット利用ポリシーの策定・周知の有効性が裏付けられた一方で、今後はダウンロードの可否等についても明示的な基準が求められる」としている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.netstar-inc.com/press/press080805.html
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・ 77%の従業員が職場から私的ネット利用、大企業では利用ポリシー策定が進む(2006/08/10)
( 永沢 茂 )
2008/08/05 17:40
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