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大日本印刷が「サイバーナレッジアカデミー」設立、IAIの訓練システムでセキュリティ技術者を養成

 大日本印刷株式会社(DNP)は29日、標的型サイバー攻撃への対策要員を訓練、養成する「株式会社サイバーナレッジアカデミー」を3月に設立すると発表した。

 新会社設立の背景として、企業をターゲットとした標的型サイバー攻撃の増加により、セキュリティツールによる対策では完全に防ぐことができないことを挙げている。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、国内の企業において必要なセキュリティ技術者は26.5万人で、不足人材数は約8万人と推計。また、26.5万人のうち約16万人はスキル不足で何らかの教育やトレーニングを行う必要があると指摘している。セキュリティ技術者は専門化が進み、他部門と連携しにくい課題もあるという。

 サイバーナレッジアカデミーでは、IAI(イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ)の訓練システム「TAME Range」を活用し、体験型実践演習で訓練・学習することで、未知のサイバー攻撃にも対応できるスキルの修得を目指す。受講者はチームごとに実例に基づいた攻撃シナリオを用いて、隔離された仮想環境上でトレーニングを行う。チーム力の醸成と向上を図り、個人のスキルアップとともにチームリーダーを養成していく。

「TAME Range」仮想トレーニング環境の例

 新会社では「セキュリティ技術者の訓練、養成」のほか、セキュリティに関連する技術・サービスの提供、コンサルティングなどの事業展開も予定している。

(磯谷 智仁)