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Winnyでの著作権侵害に警告メール、ISPと権利者団体が3月1日から


CCIF会長の桑子博之氏(テレコムサービス協会)
CCIF会長代理の久保田裕氏(コンピュータソフトウェア著作権協会)

 ISP事業者団体や権利者団体などからなる「ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会(CCIF)」は22日、Winnyユーザーに警告メールを送付する取り組みを3月1日に開始すると発表した。

 CCIFは、警察庁の総合セキュリティ対策会議での議論をもとに、ファイル共有ソフトを用いた著作権侵害への対策を行うため、日本インターネットプロバイダー協会などのISP事業者団体と、日本音楽著作権協会などの権利者団体により設立された協議会。

 協議会では、ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害への対応として、権利侵害を行っているユーザーに対して、ファイルの削除を呼びかける警告メールを送信する取り組みを行うため、対応ガイドラインを策定。3月1日からガイドラインに基づいた取り組みを開始する。

 取り組みの流れは、まず権利者団体がツールを用いてWinny上のファイルを入手し、団体に加盟する会員が保有する著作物であるかを確認。権利侵害が確認された場合は、IPアドレスの情報に基づいてISPに警告メールの送付を要請し、要請を受けたISPがユーザーに対して当該ファイルの削除などを求める警告メールを送付する。

 当初はWinnyのみを対象とするが、他のファイル共有ソフト用の確認ツールについても検証を進めており、順次対応していくとしている。3月1日時点で、権利侵害の確認を行うのは、日本国際映画著作権協会(JIMCA)、日本音楽著作権協会(JASRAC)、コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)、日本映像ソフト協会(JVA)の4団体。各団体および会員が保有する権利の主な種類は、JIMCAが洋画、JASRACが音楽、ACCSがコンピューターソフトやゲーム・アニメ、JVAが邦画。その他の権利者団体も順次参加の予定。

 CCIFでは既にISP5社による取り組みのトライアルを実施しており、3月1日からはまず5社との間で取り組みを進め、4月1日からその他のISPにも範囲を拡大する予定。CCIFに参加しているISP事業者4団体(電気通信事業者協会、日本インターネットプロバイダー協会、テレコムサービス協会、日本ケーブルテレビ連盟)には日本の主なISP約600社が加盟している。

 CCIFの会長を務めるテレコムサービス教会の桑子博之氏は、「これまでも各権利者団体が独自に取り組みを進めていたが、権利者団体とISPが連携することで、ユーザーを具体的に特定できるようになり、具体的な警告メールをほぼ間違いなく出せるようになる。大きく前進できたと考えている」とコメントした。

 警察庁の総合セキュリティ対策会議では、ファイル共有を通じた著作権侵害への対処として、ISPからのメールによる注意喚起に加えて、ISPによるアカウント停止、著作権者からの損害賠償請求、警察による捜査および検挙を挙げている。CCIFの会長代理を務めるACCSの久保田裕氏は、「まずは警告・啓発メールを送ることで、違法だという事実を伝え、なぜ違法かということを考える契機を与えていくことが、地道ではあるが重要。侵害が減っていかなければ、法律上の強制力が働いていくようなことになっていかざるを得ない」として、警告・啓発の段階で侵害行為を止めてほしいと語った。


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(三柳 英樹)

2010/2/22 17:01