KDDIなど5社、FTTHサービスにおけるOSU共用の検証結果を公表


 イー・アクセス、KDDI、ソフトバンクテレコム、ソフトバンクBB、ビック東海の5社は10日、FTTHサービス市場の競争活性化に向けた取り組みの一環として、「OSU(光信号伝送装置)」の共用実現性に関する検証結果を公表した。

 OSU共用は、FTTHサービスのシェアドアクセス方式で用いられる最大32ユーザーを収容できるOSUなどを複数事業者で共用するというもの。なお、シェアドアクセス方式とは、1本の光ファイバー回線を分岐して、複数のユーザー宅にサービスを提供する形態になる。

 各社では、接続事業者ごとにNTT東日本またはNTT西日本から8分岐もしくは32分岐単位で光ファイバーを借り受ける形態について、「設備稼働率の観点から非効率」だと指摘。2007年9月20日付で、市販OSUを利用して共用に関する技術的な問題がないことを確認したと公表していた。

 その後、2008年3月27日の総務省情報通信審議会による答申で「OSUを共用し1芯当たりの契約数を増加させる方が、FTTHサービスの提供コストを低廉化させることが可能であることから、まずは競争事業者間でのOSU共用の取組を積極的に進めることが適当」との考え方が示されたことを踏まえ、今回、ラボ環境での技術的検証や商用設備環境での運用面の検証を行った。

 検証では、NTT外販許諾品のOSUと、ユーザー宅に設置する「ONU(回線終端装置)」を使って、ソフトバンクBB社内のラボに検証環境を構築。事業者振り分け用スイッチ(SW)を設置して、OSU共用が可能であることを確認。また、商用環境設備では、NTT東日本と接続事業者間の手続きや保守体制を検証し、運用面でもOSU等の共用は可能であることを確認したとしている。

 これにより、NTT東日本およびNTT西日本を含めた通信会社が今回検証した方法で設備を共用すれば、1加入者あたりのコスト削減が見込まれると説明。加えて、市場の競争活性化や利用者のサービス選択肢の多様化、利便性向上も期待できるとした。

 5社では検証結果を関係各方面に提案するとともに、FTTHサービス市場における利用者の利便性向上の実現に向けた取り組みを進める考えだ。


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(村松 健至)

2010/3/10 15:29