スピッツのCDなど、USTREAMでBGMに使用可能、MySpaceが許諾契約
マイスペースは30日、SNS「MySpace」におけるライブ配信ストリーミングサービス「USTREAM」の楽曲利用について、スピッツや坂本龍一らの音楽著作権を管理するジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)から利用許諾を受けたと発表した。権利者の同意が得られた一部の音源については、ユーザーがUSTREAMで適法に使用できるようになる。
USTREAMの映像中継時に音楽を使用したいというニーズが、ユーザーから上がっていたという。これに対してマイスペースは、USTREAM日本法人設立までの間、USTREAMにおける楽曲利用に関する権利処理を代行することにした。権利処理の第1弾として、「USTREAM上におけるJRC管理著作物の適正利用に向けた暫定許諾契約」(暫定許諾)を締結した。
暫定許諾のポイントとしてはまず、JRCが管理する楽曲のうち、関係権利者の同意があった楽曲を「ホワイトリスト」として公表する。これらの作品については、映像中継の際にユーザー自らが演奏・歌唱できるようにした。ユーザーの演奏・歌唱時に発生する著作権使用料は当初、マイスペースが支払うことで合意した。
また、今回の暫定期間中における最も大きな試みとしては、関係権利者の同意が得られている音源(CD音源など)の著作隣接権の許諾についても、JRCが提供するホワイトリストの中で示すことが挙げられる。このリストに記載された音源については、USTREAM配信時にBGMとして使えるなど、完全に適法な形で使用できるようになる。
本来、ユーザーがCD音源などをネット上で配信するには、レコード制作者などの著作隣接権者の許諾を得る必要がある。しかし現状では、権利者を探し出すことが困難であったり、その都度条件交渉をしなければならないなどの問題点がある。そこで今回は、JRCが権利者に対して音源利用の説明を行い、利用許諾を得る取り組みを行うことにした。
第1弾のホワイトリストには、スピッツやホフディラン、Sweet Vacation、ムック、坂本龍一、浜田省吾のほか、多岐にわたるアーティストの作品にかかる著作権の許諾が示されており、中でもスピッツやホフディランらの作品は音源の許諾も示されている。ホワイトリストは随時更新される予定。
暫定契約期間は4月から6月までだが、延長の可能性もある。著作権使用料などの条件は引き続き協議の上で定める。
マイスペースは今後、JRCや音楽制作者連盟などの権利者団体の協力を得ながら、USTREAMユーザーが安心して音楽を使用できる枠組み作りを共同で推進するとしている。また、MySpaceにおいてUSTREAM中継を行う場合の音楽著作権利用の許諾について、日本音楽著作権協会(JASRAC)との間で、包括的許諾契約の中で処理する方向での合意に向け調整を進めているという。
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(増田 覚)
2010/3/30 20:29
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