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米MSが「Hotmail」最新版を公開、Gmailキラーになるか?


 米Microsoftは15日、Webメールサービスの最新バージョンとなる「Hotmail Wave 4」の公開を全世界で順次開始した。夏ごろには、Hotmailの全ユーザーが最新バージョンを利用できるようになるとしている。

 Hotmail Wave 4は、オンラインストレージ「SkyDrive」やWebブラウザーから利用できるOfficeアプリ「Office Web Apps」との統合、容量無制限、スパム対策、読まないメールマガジンへの対応など、高機能をうたっており、MicrosoftのWebサイトではGoogleの「Gmail」との比較も行われている。


新バージョン「Hotmail Wave 4」の画面イメージ

 なお、Microsoftでは、Hotmail Wave 4を全ユーザーに対して一度にサービス公開できない理由を説明している。Hotmailのサーバーはクラスターにまとめられているが、そのクラスターが数百あり、1つ1つのクラスターを順にアップグレードしていくため、全ユーザーが利用できるようになるまで時間を要するとしている。クラスターは、全体の負荷を調整するように割り当てられているため、特定の地域が優先されるわけではなく、誰でも平等にアップグレードのチャンスはあるとしている。

受信箱をいつでも「きれいな」状態に、読まないメルマガ対策も

 Hotmail Wave 4には様々な新機能がある。例えば、受信箱をいつでも「きれいな」状態にしておくために改良が加えられている。スパム対策はもちろんのこと、正当なメールをスパム扱いしないための擬陽性判定を減らし、読まないメールマガジンを登録しておくことによって、ワンクリックで画面から消すことができる「Sweep」機能などが搭載される。


不要なメールを処理する「Sweep」ボタン

 また、ログインすると、受信箱を表示する前に、最重要メールが何通届いているかを一覧できる。例えば、自分の友人、連絡先に登録のある人、ソーシャルネットワークサイトからの近況アップデート、宅配便の追跡メール、友人の誕生日やスケジュールなどを1画面に表示する。それぞれの項目をクリックすると、受信箱の中で該当するメールを太文字で強調表示し、すぐに識別できるようにしている。

 Windows Live Messengerとも連携しており、受信箱の画面からオンラインになっているMessengerのコンタクトを表示し、その場でチャットに移行することも可能だ。対応している地域では、SMSメッセージを電話に送信することもできる。

SkyDriveとの連携で添付ファイル容量拡大、1通あたり計10GB

 Hotmail Wave 4のもう1つの特徴は、大きなサイズの添付ファイルを扱えることだ。MicrosoftのオンラインストレージサービスであるSkyDriveと連携することによって、より便利に使えるようになっている。

 例えば、送信できる写真の1枚あたりの最大サイズは50MBで、メール1通で最大200枚を同時に送信できるため、合計10GBを1通で送信できることになる。この際、相手のSkyDriveにアップロードするオプションを利用すれば、受け取り人は、SkyDriveへのリンクと、保存されている写真のプレビューをメール上から簡単に見ることができ、巨大なファイルをダウンロードする必要や手間がなくなる。


添付写真はスライドショー形式での閲覧や一括ダウンロードに対応

 このことは、WordやExcelなどのドキュメントにも当てはまる。1ドキュメントあたり最大ファイルサイズは50MB、合計10GBを1通のメールで送信できる。受信相手は、SkyDriveへのリンクを受け取ることになる。

添付のOfficeドキュメントを、Office Web Appsで編集可能

 特にMicrosoft Officeドキュメントを受信した場合、Officeライセンスを保有しているかどうかにかかわりなく、Office Web Appsを使用してブラウザー上から直接文書を編集できる。


添付されたOfficeドキュメントをOffice Web Appsで閲覧・編集可能

 Office Web Appsは、Internet Explorerだけでなく、Firefox、Safari、Google Chromeにも対応している。当初はGoogle Chromeはサポートしないことになっていたため「Chrome外し」と噂されたが、15日に行われた別の発表で、問題点を修正し、正式にChromeをサポートすることが明らかになった。

 メールプレビュー画面でOffice Web Appsから行われた編集はどのPCでも閲覧でき、SkyDriveに保存されるため、他のユーザーとの共有も容易だ。なお、このOffice Web AppsとHotmailとの統合は当初、米国、カナダ、英国、アイルランドでのみ公開され、その他の国では今年後半に公開予定だとしている。

Exchange ActiveSync利用し、スマートフォンとの連携強化

 さらに、携帯電話やスマートフォンとの連携機能がサポートされた。これにはExchange ActiveSyncを利用する。Microsoftではこの機能を利用できる携帯電話の台数は約3億台に上るとしている。

 これを利用すると、メールやカレンダー、連絡先を同期でき、携帯電話でのプッシュメールを実現できる。さらに、スマートフォンのリッチブラウザーからHotmailを利用することも可能。Hotmailのライトバージョンを利用すれば、スマートフォンではない携帯電話のブラウザーからも利用できる。ActiveSync機能のサポートは、今回のHotmail Wave 4アップグレードには含まれておらず、別の時期にサポートが行われるとしている。

 このように、Hotmail Wave 4は非常に高機能で、ユーザーが利用する可能性のある機能を比較的網羅しているといえるだろう。Microsoftは、HotmailのWebサイトにGmailとの比較表を掲載。Gmailのストレージ容量が拡大中であるのに対してHotmailは無制限であること、添付ファイルサイズも10GBとGmailの400倍であることなどを強調している。このことからも、Microsoftの並々ならぬ力の入れようがわかるだろう。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2010/6/16 12:02