無料ソフトパッケージ「Windows Live Essentials」日本語ベータ版公開

メール、メッセンジャー、写真管理ソフトなど


「Windows Live Essentials」ベータ版

 マイクロソフト株式会社は25日、無料ソフトパッケージ「Windows Live Essentials」の日本語ベータ版を公開した。対応OSは、Windows 7/VistaおよびWindows Server 2008。

 「Windows Live Essentials」は、マイクロソフトが提供しているWindows Live関連のソフトウェア製品を、パッケージとしてまとめたもの。従来は「Windows Liveおすすめパック」と呼ばれていたが、「Windows Live Essentials」に名称が変わった。

 Windows Live Essentialsに含まれるソフトは、メールソフトの「Windows Liveメール」、メッセージングソフトの「Windows Live Messenger」、写真編集・管理ソフトの「Windows Liveフォトギャラリー」、動画作成ソフトの「Windows Liveムービーメーカー」、複数PC間のフォルダー同期を行う「Windows Live Sync」など。ソフトは現時点ではいずれもベータ版となっている。

Hotmailも新バージョン、夏には全ユーザーが利用できる見通し

米Microsoftのブライアン・ホール氏

 25日にはマイクロソフトが説明会を開催し、デモを交えながらウェブメールサービス「Windows Live Hotmail」の新バージョンと、Windows Live Essentialsの各ソフトの新機能を紹介した。

 Hotmailは現在新バージョンへの移行が段階的に進められており、2010年夏には全ユーザーが新バージョンを利用できる見通しとなっている。

 米MicrosoftのWindows Live & Internet Explorerゼネラルマネージャーのブライアン・ホール氏は、「ユーザーはより大量のメールを処理するようになり、メールには様々な添付ファイルやリンクが含まれる」という現在のメール事情に合わせて、Hotmailの新バージョンを開発したと説明。新バージョンの特徴として、「受信トレイを簡単に整理」「多くの処理がHotmail内で完結」「Officeとの連携」の3点を挙げた。

 受信トレイを簡単に整理するための機能としては、メールを「SNSの知人」や「連絡先に含まれるアドレス」などで分類できるフィルター機能が追加され、メールのスレッド表示にも対応した。また、特定の差出人からのメールを一括で移動または削除し、同時に今後の処理のルールも作成できる機能を追加した。

Hotmailの画面「知り合いから」「ソーシャルネットワーク」などでフィルタリングできる
指定したメールの差出人で一括処理今後も同様の処理を行うルールが作成できる

 写真をメールで送る機能では、オンラインストレージの「Windows Live SkyDrive」と連携。送りたい写真を選ぶと自動的にSkyDriveにアップロードされ、同時にオンラインフォトアルバムが作成される。最大10GBまでの写真がSkyDriveのフォトアルバムとして送信でき、メールはフォトアルバムへのリンクの形となっているため、相手の受信ボックスの容量を気にすることなく大量の写真を送信できる。

 また、オンライン版Officeの「Office Web Apps」とも連携。メールに添付されたOffice文書は、Office Web Appsによりブラウザー上で確認・編集できる。

 Hotmailはモバイル対応も進めており、スマートフォンのブラウザーから利用できるほか、日本国内の開発部隊により日本の携帯電話向けにも最適化されたサービスを提供。オンラインフォトアルバムも、スマートフォンや携帯電話の個々の画面サイズに合わせた形で閲覧できるように対応している。また、英語版ではiPhone向けアプリも既に提供しており、今後各国での対応を進めていくとした。

写真はSkyDrive上にアップロードオンラインアルバムが作成される
Hotmail上ではそのまま確認できる携帯電話ではリサイズされる
Office Web Appsとも連携変更したファイルはSkyDriveに保存される

クラウドとWindows 7をつなぐ「Windows Live Essentials」

 続いて、Windows Live Essentialsの各ソフトの新機能が紹介された。Windows Live Essentialsは、「写真や動画、ドキュメント、メールといった様々なコンテンツがクラウド上に存在するようになっており、Windows Live EssentialsはそれらとWindows 7をつなぐものだ」として、クラウドサービスとの連携を強化ポイントとして挙げた。

 Windows Liveメールにも、Hotmailと同様にSkyDriveと連携する「フォトメール」機能を追加。送りたい写真を選ぶと、写真が自動的にSkyDriveにアップロードされ、フォトアルバムのレイアウト変更やキャプションの追加などもWindows Liveメールから行うことができる。

 Windows Liveメッセンジャーには、SNSの知人の情報をまとめて表示できる「SNSダッシュボード」モードが追加。現時点ではFacebookとMySpaceに対応し、SNSの状況もメッセンジャーの画面からまとめて確認できる。また、写真や動画を共有する機能が追加され、SkyDriveのオンラインフォトアルバムなどを参加者全員で見ながらチャットを行うことが可能となった。

写真を送るための「フォトメール」機能SkyDrive上にオンラインアルバムが作成できる
Windows Liveメッセンジャーの画面。SNS情報が左ペインで確認できるオンラインアルバムなどを見ながらチャットができる

 Windows Liveフォトギャラリーには、大量の写真を整理するための「人物タグ」機能を追加。顔認識技術により、同一人物が写っていると思われる写真を抽出し、一括で人物タグを付与できる。また、顔のしみなどを簡単に修正できるレタッチ機能、2枚の写真から良い部分だけを選んで合成できる機能などが追加された。

 Windows Live Syncは、指定したフォルダーをPC間で同期できるソフト。複数のPCでファイルの同期ができ、オフライン時に変更したファイルもオンラインになった際に同期される。また、Syncをインストールして設定したPCには、「http://deveices.live.com/」を通じてアクセスでき、ウェブブラウザーから自宅のPCへのアクセスも可能になる。

 ホール氏は、Windows Live Essentialsのベータ版がダウンロード可能となったことを紹介し、ぜひパワーアップされた新機能を試してほしいと呼びかけた。

Windows Liveフォトギャラリー顔認識技術により人物タグを一括で指定できる
Windows Live Syncリモートアクセスも可能

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(三柳 英樹)

2010/6/25 18:27