AP不要でデバイス間を無線接続、Wi-Fi Directは「環境を根本から変える」
Wi-Fi Allianceマーケティングディレクターのケリー・デイヴィス・フェルナー氏 |
Wi-Fi Directの概要 |
Wi-Fi Allianceは16日、デバイス同士をP2Pで接続するための新しい技術「Wi-Fi Direct」について、報道関係者向けの説明会を開催した。
Wi-Fi Directは、アクセスポイント(AP)やインターネット接続の有無に関係なく、IEEE 802.11a/g/nの無線通信を用いてデバイス同士を接続できる技術。ノートPCや携帯電話、カメラ、プリンターなどでデータのやりとりを可能にする。
Wi-Fi Directの認定デバイスは、Wi-Fi認定を受けている既存のデバイスとも接続可能。Wi-Fi Allianceマーケティングディレクターのケリー・デイヴィス・フェルナー氏は、「すでに使われている数億台のレガシーWi-Fiデバイスと直接接続を橋渡しする」と語る。
デバイス同士の接続は「1対1」が一般的な構成となる見込みだといい、カメラとプリンターをつないで写真を印刷、連絡先を携帯電話とノートPC間で同期、携帯電話の写真をテレビに表示――といった使い方が想定されている。
また、一度に複数のデバイスと接続する「1対多」の接続もサポートする。これにより、ノートPCとプリンター、カメラ、スピーカーなどの間でケーブルを必要とすることなく接続したり、複数のゲーム機で同時にプレイできるという。
Wi-Fi Directに認定されたデバイスには、接続可能なデバイスを検出する機能があり、無線LAN設定システム「Wi-Fi Protected Setup(WPS)」によって接続が確保される。接続時の暗号方式は「WPA2」をサポートする。
「1対1」の接続イメージ | 「1対多」の接続イメージ | Wi-Fi Directの基盤テクノロジー |
なお、Wi-Fi Allianceは、Wi-Fi Directの対応デバイスを認定する作業を10月25日にスタートしており、Intelの「Centrino Advanced-N 6200」など5製品が初の対応デバイスとなった。また、最近ではサムスン製のAndroid端末「GALAXY S」も認定されたという。
Wi-Fi Directについてフェルナー氏は、「デバイス間のコンテンツやアプリケーションの移動性を高めるなど、消費者のニーズに合わせて進化した技術。これまでのWi-Fi環境を根本から変える」とアピールした。
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(増田 覚)
2010/11/16 16:00
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