ヤフー、地域生活圏情報サービス「Yahoo!ロコ」を4月上旬に提供開始


 ヤフー株式会社は1月20日、地域生活圏情報サービス「Yahoo!ロコ」を4月上旬より提供開始すると発表した。1月20日より代理店経由での事業主への営業を開始し、3月上旬より、オンラインでの事前登録受付を開始する。

「ユーザーにも事業主にもメリットあるサービスに」

ヤフー株式会社 取締役最高執行責任者 喜多埜裕明氏

 「Yahoo!ロコ」は、ユーザーが今いる場所や出かけたいエリア、行きたいお店などを検索すると、目的地域周辺の店舗や施設などの情報が地図とともに表示されるサービス。これまでに各種サービスに分散していた地点と情報する情報を統合し、シームレスに提供する。利用環境はPC、携帯電話、スマートフォンをサポートする。

 Yahoo!JAPANでは、地点情報を保有するサービスとして、Yahoo!クーポン、Yahoo!地図の路線ワイワイマップ、Yahoo!道路交通情報、Yahoo!グルメ、Yahoo!マチモバ、Yahoo!地域情報、Yahoo!電話帳などを提供中だが、「Yahoo!ロコ」ではこれらの情報をひとつに統合する。すでに既存コンテンツを多数擁することもあり、「Yahoo!ロコ」はスタート時から、月刊利用者数約2600万人、月間約17億ページビューを見込んでいる。

 ヤフー株式会社 取締役最高執行責任者の喜多埜裕明氏は、「(情報が分散していた)いままでのサービスは、ユーザーにとっても事業主から見ても使いづらい面があった」とコメント。今回情報を統合し、より利用しやすい機能を追加することで、ユーザーにとっても事業主にとってもメリットのあるサービスにしたいとした。

これまで各サービスに分散していた地点情報を「Yahoo!ロコ」に統合「Yahoo!ロコ」事業戦略4つの柱

事業主向けの「Yahoo!ロコ プレイスページ」は有料プランも提供

 ユーザー向け機能の目玉としては、ウェブブラウザのブックマークに相当するキープ機能を装備。覚えておきたい情報やお気に入りの店舗情報をキープすることで、次回以後は簡単にアクセスできるようになるほか、友人や同僚にTwitterやmixiなどのSNSサービスを利用してキープした情報を共有することも可能だ。

 事業主向けの機能としては、Yahoo!ロコ内に無料で「Yahoo!ロコ プレイスページ」を簡単に作成できるサービスを提供。Yahoo!ロコのプレイス管理ツールでは、ホームページ作成機能のほか、おすすめ情報発信機能、クチコミ返信機能、クーポン/スタンプ発行機能、アクセスレポート機能などが利用できる。

 事業主向けのプレイスページのサービスは、基本的に無料のエントリープランで全機能が利用できるが、有料プランも用意。有料プランは飲食店向けと飲食店以外でプランが分かれており、飲食店以外の全業種向けのスタンダードプランは1年間3万6000円となる。飲食店向けのプランは予約業種向けのコール課金タイプと定額タイプに分かれ、コール課金タイプは固定費36000円、コール課金が500円。非予約業種向けの飲食店は1年間6万円の固定課金となる。

 無料プランと有料プランの差別化については、有料プランユーザーの情報は検索結果の露出機会を増やす、ユーザーに送るプッシュ情報の利用頻度を無料プランでは制限する、ホームページ作成機能のテンプレートは有料プランでは200種以上のすべてが利用できるが無料プランでは一部のみ、などの差別化がなされる見込み。

 露出機会については、検索結果画面では、条件に合致する順に検索結果を表示するが、この際に有料プランのプレイスページを優先して表示する。これにより、有料プランでは誘導成果にかなりの上積みが期待できるという。ただし、ユーザーが現在地点からの近さなど、特定の条件を設定した場合には、その設定条件に合致する順に検索結果を表示する。とくにこうした表示順の設定がない場合には、条件に合うプレイスのうち、有料プランから表示するという。

「Yahoo!ロコ」の全体図Yahoo!ロコ プレイスページのトップ構成
Yahoo!ロコ プレイス管理ツールの機能事業社向けプラン一覧

オープン化し、Yahoo!外のサイトでも情報を利用可能に

 またYahoo!ロコサービスはオープン化する予定で、Yahoo!外のサイトで有効活用できるようにしたいとしている。具体的には、Yahoo!ロコで作成したプレイスページを事業主の独自サイト内で表示可能にするなど。こうしたYahoo!サイト外での利用を促進することで、Yahoo!ロコの情報が有効に活用されることで、ヤフーとしてはPVが伸びるなどのメリットも期待できるとしている。

 なお、Yahoo!ロコで統合する既存コンテンツについては、コンテンツにより一部を移行させる場合と全部を移行させる場合があるという。具体的には、Yahoo!グルメについてはすべて移行し、Yahoo!ロコ開始後は、Yahoo!グルメにアクセスするとYahoo!ロコが表示されるようになる見込みだという。ただし、現在Yahoo!グルメで利用できる機能はすべて踏襲し、いまあるコンテンツの使い勝手を損なうことなく、新たな機能を追加してより便利に利用できるようにするという。

 利用環境については、PC、携帯電話、スマートフォンのいずれもサポートするが、今後数年のうちにアクセスの半分くらいはスマートフォンになるのではないかと思っているとして、スマートフォン対応に注力していく方針を強調。GPSを利用したサービスなども、既存のサービスが利用できるのはもちろん、今後強化していきたいとした。


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(工藤 ひろえ)

2011/1/20 16:14