一般用医薬品ネット販売規制、第三類以外も可能性検討すべきとの仕分け結果


 行政刷新会議が6日に開催した「規制仕分け」において、一般用医薬品のインターネット等販売規制について議論された。

 一般用医薬品はリスクに応じて第一類・第二類・第三類に分離されており、このうちインターネットを含む郵便等での販売が認められているのは、比較的リスクの低い第三類に限定される。2009年6月1日に全面施行された改正薬事法により、一般用医薬品は「対面販売」が原則とされたただめだ。

 ただし、改正前からの継続使用者(同じ薬局・店舗が同一の医薬品を販売する場合)や、離島居住者については、2011年5月末まで第二類の郵便等での販売を可能とする経過措置を設定している。

 この規制をめぐっては、通販サイト運営事業者などが反対しており、必ずしもインターネット販売が安全面で対面販売に劣るものではないと主張。一方で、副作用の事故など安全性の観点から規制は必要とする考えももちろんある。

 今回の仕分け議論では、対面販売を義務付け、インターネットなどの販売を規制することが利用者の便益と比較考量して必要最小限の規制であるのか、また、経過措置期間中に代替措置が実現していないのであれば少なくとも経過措置は延長すべきではないかといったことが論点に上げられている。

 6日の仕分け議論では仕分け人から、「『対面か非対面』ではなく、『服用者本人にいかに十分な情報提供等を行うか』が大切」「不法、不適切なインターネット販売の取り締まりの厳格化が必要」といった意見があった。

 仕分け人の結論としては、「安全性を確保する具体的な要件の設定を前提に、第三類医薬品以外についても薬局・薬店による郵便等販売の可能性を検討する」ことを改革の方向性として示した。ただし、「結論が得られるまでの間、経過措置を延長する。また、第一類から第三類のリスク区分についても、不断の見直しを行う」ことを留意点として上げている。「これまでどおりの方法で医薬品を入手できなくなり、困っている消費者が存在することは事実であり、一方で、対面販売の方が安全性が高いとする根拠は必ずしも明らかにならなかった」と判断したかたちだ。


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(永沢 茂)

2011/3/7 18:14