「G Data 2012」シリーズ7月7日発売、検出率を落とさずに「重い感じ」解消
G Data Software株式会社は、個人向け総合セキュリティソフトの2012年版製品「G Dataインターネットセキュリティ 2012」を7月7日に発売する。ウイルス/スパイウェア対策やフィッシングサイト対策、迷惑メール防止、不正アクセス防止などの機能を備えており、Windows 7/Vista/XP SP2以降に対応する。
株式会社ジャングルを通じてパッケージ版を販売するほか、G Dataのサイトではダウンロード版を販売する。パッケージ版の市場想定価格は、1年/1台用4480円、3年/1台用7480円、2年/2台用(殿堂入り記念パッケージ)4980円など。ダウンロード版は、1年/1台用2980円、1年/3台用3480円など。
製品発売に先立ち、30日間試用できる無料版を6月23日に公開した。G Dataのサイトからダウンロードできる。
●フルスキャンはアイドル時に実行
G Dataのセキュリティソフトは従来より、第三者機関のAV-TESTによるウイルス検出率テストで常に99%台を記録し、2007年11月から2011年2月まで40カ月連続で1位の座についているとし、検出率の高さを最大のセールスポイントとしている。G Data Softwareによれば、テストで使われるウイルスのサンプルは100万種以上あるため、検出率が1%劣るだけで1万種以上のウイルスを見逃す可能性があると説明している。
G Dataインターネットセキュリティ 2012 |
今回発表した2012年版製品では、2002年以来採用しているダブルスキャンエンジンにより検出率を維持する一方で、処理の軽快さと両立すべくチューニングしたという。
具体的には、まず、ウイルス定義ファイルの更新時(1時間に約1回実施)のPCの負荷を抑えた。ダウンロード時の回線使用率と、ダウンロードしたファイルの解凍・差し替えのメモリ使用率を見直したことで、更新処理が行われるたびに「重いと感じることがなくなる」としている。
また、フルスキャン(デフォルト設定では1週間に1回実施)には「アイドリングスキャン」を導入。1)PCで作業を行っていない、2)システムリソースが上限を超えていない、3)ハードディスクの稼働率が上限を超えていない――という3条件がそろった際にフルスキャンを実行するようにした。OSの画面設定と連動して、スクリーンセーバーが起動している時にフルスキャンをかけることも可能。なお、フルスキャンはPCの起動後10分以降で始まるようにし、起動直後の負荷の高い段階でさらに負荷をかけてしまわないよう考慮した。
このほかにも、前バージョンに引き続き、マルチコアCPU環境におけるパラレルスキャン、変更のないファイルのスキャンをスキップして2回目以降のスキャンを高速化するフィンガープリンティング技術、メモリ使用量の削減などにより、スキャン処理そのもののパフォーマンス向上も図っている。
スキャン画面 | ウイルス対策設定画面 |
迷惑メール対策設定画面 | ファイアウォール設定画面 |
G Data Software日本支社長のJag山本氏によると、同社のセキュリティソフトはウイルス検出率の高さを誇る一方で「堅牢な分、重くないのか?」という疑問をよく持たれるが、「この5年間、機能を減らしていないし、どの機能もオフにしていない。重いと言われようが、スキャンしてきた」と語る。それがここ数年でかなり軽量化が施され、今回の2012年版製品では「ついに『重くない』と言い切れるところまで来た。実際に試してもらえばわかるが、本当に本当に軽くなった」と自信を見せた。
●クラウド経由のファイルスキャンも
G Data製品ではダブルスキャンエンジンによる定義ファイルに基づくウイルス検出のほか、ヒューリスティック検知やビヘイビアエンジンによるふるまい検知も併用している。特に2012年版製品では、ビヘイビアエンジンを改良。ルートキットや、亜種を大量に発生させるドロッパー/ダウンローダー系マルウェアなど、昨今対策を強化すべきマルウェアの挙動パターンのデータベースを充実させ、未知のウイルスへの監視を強化したとしている。
さらに、定義ファイルで間に合わない新種ウイルスをクラウド経由で対応する「アウトブレイクシールド」という仕組みを2005年から導入し、2011年版製品からはこの仕組みを日本語詐欺サイト対策にも適用していた。今回の2012年版では、署名がなく詳細不明の実行ファイルを実行する際、インターネットから実行ファイルやPDFファイルをダウンロードする際、メールの添付ファイルを受信する際にも、クラウド技術によりリアルタイムスキャンを行う。
G Data Software日本支社長のJag山本氏 |
「G Data 2012」シリーズは、総合セキュリティソフトの「G Dataインターネットセキュリティ 2012」のほか、ウイルス対策などに機能を絞った「G Data アンチウイルス 2012」、バックアップ機能やPCの最適化機能も備えた最上位版の「G Dataトータルケア 2012」もラインナップしている。
「G Dataトータルケア 2012」では、バックアップ機能を強化。従来のファイルバックアップに加え、ハードディスクをシステムごとイメージ化してバックアップできる機能を追加した。あわせてブートCD機能に復元機能を搭載したため、システムトラブルやマルウェアによりPCが起動しなくなった場合でも使用していた環境に戻せるとしている。「G Dataトータルケア 2012」パッケージ版の市場想定価格は、1年/3台用6480円。
なお、「G Data 2009」「G Data 2010」「G Data 2011」シリーズのユーザーは、それぞれライセンス有効期間内であれば、無償で「G Data 2012」シリーズに更新できる。
また、ジャングルでは「G Data 2012」シリーズの発売を記念し、同社が扱うパッケージ版の各製品について、ライセンス期間をそれぞれ3カ月プラスするキャンペーンを実施する。同じく同社が扱うパッケージ版製品の一部を対象に、購入した製品のライセンスと同じライセンスをもう1つプレゼントするキャンペーンも実施する。例えば「G Dataトータルケア 2012」1年/3台用を購入、所定の手続きを行うことで、さらに1年/3台用ライセンスがもらえるかたちだ。
G Data Softwareでは今年、今回発表した「G Data 2012」シリーズの個人向け製品に加え、クラウド型製品、モバイル向け製品、法人向け製品という4分野の製品を展開していく計画。クラウド型新製品を7月7日に発表するほか、Android向け新製品を7月22日に、法人向け新製品を秋に発表する予定だ。
関連情報
(永沢 茂)
2011/6/24 06:00
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