「BBQuest」サービス閉鎖、利用者の少年6人、著作権侵害容疑で書類送検


 福岡県警生活経済課サイバー犯罪対策室などは11日、オンラインストレージサービス「BBQuest」を利用して、アニメやミュージックビデオなどを権利者に無断でアップロードしていた北海道、愛知県、鹿児島県などの少年6人を、著作権法違反の疑いで福岡地検に書類送検した。社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)と一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)が発表した。

 BBQuestは、モバイルサイト制作・運営事業を手がける株式会社ネッツ・ジャパン(愛知県名古屋市)が運営する無料オンラインストレージサービス。同サービスのサイトには現在、「この度、誠に勝手ではございますが、諸般の事情により、2011年7月8日をもちまして当サイトを閉鎖させて頂きました。急なお知らせとなってしまったことを深くお詫び申し上げます」との告知文が表示されている。

 ネッツ・ジャパンでは、動画ファイルを携帯端末向けに変換するサービス「動画変換婦人」も提供していたが、こちらも7月6日で閉鎖したと告知されている。

 書類送検された6人は、アニメ「クレヨンしんちゃん」「らき☆すた」や特撮作品「仮面ライダーオーズ/OOO」、EXILEなどの楽曲を含む動画を、それぞれ権利者に無断でBBQuestにアップロードし、不特定多数のインターネットユーザーに対して送信できるようにして著作権(公衆送信権)を侵害した疑いがもたれている。アニメ・特撮作品についてACCSの会員企業が4人を、音楽についてJASRACの会員企業が2人を告訴していた。

 福岡県警では4日、ネッツ・ジャパンに対して、同サービス内における著作権侵害状態を改善するよう警告。これに対して同社は、今後、積極的に著作権侵害対策に協力する旨を回答していたという。

 JASRACによると、BBQuestでは、利用者が各自で動画投稿サイトを開設できるようになっており、今回の被疑者も「ニコニコ動画館」などといった名称で模倣動画投稿サイトを開設・運営。自らもテレビの音楽番組や、「ニコニコ動画」「YouTube」などで公開されていた動画を、携帯ゲーム機でも視聴できるよう変換して公開していたという。

 JASRACでは過去にネッツ・ジャパンに対し、BBQuest利用者による動画投稿サイトでの違法運営を放置することのないよう要請したところ、一部サイトについて削除に応じたこともあったとしている。

 今回、若年層が比較的多く利用するモバイル向けの動画投稿サイトで著作権侵害行為が行われ、結果として摘発された6人全員が未成年者だったことについて、ACCSでは、これまでも著作権啓発活動を進めてきたが、さらに強化しなければならないとコメントしている。


関連情報


(永沢 茂)

2011/7/11 15:02