「フレッツ 光ネクスト」でのネイティブIPv6接続サービス、7月21日提供開始


 東日本電信電話株式会社(NTT東日本)と西日本電信電話株式会社(NTT西日本)は19日、FTTHサービス「フレッツ 光ネクスト」において、ネイティブ方式によるIPv6インターネット接続サービス「インターネット(IPv6 IPoE)接続」を、7月21日より提供すると発表した。利用するには、IPv6 IPoEに対応している各ISPへの申し込みのほか、フレッツ光 ネクスト向けのオプションサービス「フレッツ・v6オプション」への申し込みが必要。

 IPv6 IPoEに対応しているISPのリストは、NTT東日本では7月21日よりフレッツのウェブサイトに掲載する予定。また、各ISP側からも対応サービスが発表される見込みだ。株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)では、個人向けインターネット接続サービス「IIJmio」において、IPv6 IPoEに対応した「IIJmio FiberAccess/NFサービス」を7月21日より提供すると発表した。料金は月額2100円。IPv6 IPoEによるIPv6接続のほか、IPv4接続もあわせて利用可能だ。

 NTT東西が提供するフレッツ・v6オプションは、ユーザーの回線にあらかじめIPv6アドレスを割り当てるものだ。同オプションのユーザー同士はそのIPv6アドレスを使って、インターネットを介さずに、フレッツ光 ネクストの次世代ネットワーク(NGN)内でダイレクトに通信できるようになる。長いIPv6アドレスの代わりに、ユーザーが設定できる英数字による「ネーム」を使っても通信可能だ。フレッツ・v6オプションの料金は、工事費が2100円、月額利用料は無料。

フレッツ 光ネクストにおける、2種類のIPv6接続サービス。左が7月21日提供開始の「インターネット(IPv6 IPoE)接続」(NTT東日本の発表資料より)

 フレッツ 光ネクストにおけるIPv6接続サービスには2種類の方式があり、トンネル方式の「インターネット(IPv6 PPPoE)接続」がすでに6月より提供されている。この方式では、フレッツ網の区間をトンネリングで抜けるために、現在はNTT東西が提供する対応アダプターをユーザー宅内に設置する必要がある(今後は市販のブロードバンドルーターなどでも対応していく見込み)。また、IPv6アドレスは、PPoEの都度、ISPからユーザーに割り当てられるという。

 今回新たに提供を開始するIPv6 IPoEでは、特定のIPv6接続事業者が管理するIPv6アドレスをNTT東西で預かり、フレッツ網側からあらかじめユーザーへ割り当てる仕組み。これにより、フレッツ網の区間もIPv6で抜けるかたちとなり、対応アダプターは不要だ。

 ただし、このIPv6接続事業者は、BBIX株式会社、日本ネットワークイネイブラー株式会社(JPNE)、インターネットマルチフィード株式会社の3社に限定される。IPv6 IPoE対応のインターネット接続サービスを提供するISPは、3社のうちいずれかのIPv6ローミング接続サービスを活用するかたちとなる。

 インターネットマルチフィードでは今回、IPv6 IPoEに対応したIPv6ローミング接続サービス「transix」を、ISP事業者向けに7月21日から提供することを発表した。IIJmio FiberAccess/NFサービスは、これを活用したサービスだ。

 また、JPNEではすでに、IPv6ローミング接続サービスをISP事業者向けに7月26日から提供することを発表済み。JPNEは、IPv6ローミング接続サービスを展開する合弁会社として、KDDI株式会社、日本インターネットエクスチェンジ株式会社(JPIX)、NECビッグローブ株式会社(BIGLOBE)、ニフティ株式会社、株式会社朝日ネット、株式会社ヴェクタントの6社が2010年8月に設立した。今後、このあたりのISP各社からもIPv6 IPoE対応インターネット接続サービスが発表されるものと思われる。


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(編集部)

2011/7/19 19:47