手書き文字をiPhoneで撮影してテキストデータ化するメモ帳「KYBER SmartNote」
株式会社オーリッドは、スマートフォンアプリで手書き文字の全文認識と画像をデータ化するメモ帳「KYBER SmartNote」を9月16日よりamazon.co.jpで販売開始した。価格は1冊499円。amazon.co.jpでは3冊1497円のセットと10冊4491円のセットが販売されている。販売チャネルは当面Amazonのみとなるが、11月からカメラ量販店や文具店などで店頭販売も開始する予定だ。
●OCRと人力によるデジタル化料金もすべて含めたワンコインのメモ帳
「KYBER SmartNote」。サイズはちょうどiPhoneと同じ大きさ |
「KYBER SmartNote」は横59×縦116mmのジャストiPhoneサイズで、30シート(記入面は29シート)のメモ帳だ。通常の筆記具で書き、iPhoneアプリ「O-RID KYBER」で手書きメモを撮影・アップロードすることで、文字が認識され、画像とともにクラウド上に保存される。クラウドに保存されたデータはPCやスマートフォンから閲覧・編集が可能となる。
メモ帳の料金は、デジタル化やサーバーにデータを保管する料金などもすべて含めた価格となっている。このため、無料のユーザー登録を行い、iPhoneアプリ「KYBER」をダウンロードした後に、メモ帳の1枚目にあるQRコードをカメラで撮影し、デジタルデータ化するチケットをアクティベーションする。これにより、あと何枚メモを読み取れるかがアプリに記録される。後は、KYBERアプリから書いた手書きメモをカメラで撮影するだけで、OCRと人力によるチェックで正しくテキストデータ化される。
データ化されたテキストは、メール、Evernote、Twitter、Facebookに送ることができる。メモ帳のデータはカメラで撮影した画像データとテキスト化したデータの両方がオンラインストレージに保管され、無料のWindows用アプリケーションとiPhoneアプリの両方から閲覧できる。なお、オンラインストレージに保管する容量には制限はないが、月間アップロード容量には無料プランで月100MBまでの制限がある。また、デジタル化チケットには有効期限はない。
メモ帳は、ツバメ中性紙フルースを使用。読み取ったページがはぎとりやすいようにページにはミシン目が入っている。
現在はiPhone 3GS/iPhone 4のみの対応となるが、10月にAndroidへの対応を予定。Androidについては、サポートする対応端末についてはウェブサイトなどで順次追加・発表していくという。また、11月にはA6サイズ、A7サイズのメモパッドの発売と、フィーチャーフォンの対応を予定する。なお、パソコンの対応は、専用アプリケーションがWindows OS対応版のみのため、Mac OSではウェブブラウザー経由でアカウントの設定などが変更できるのみで、データの閲覧には対応していない。
専用ノートのため、KYBERアプリから撮影すると、枠を自動的に認識 | アプリ側で歪みなどを自動補正する | アップロードすると、一覧画面に「デジタル化中」の文字が表示される |
デジタル化したテキストが中央の枠内に表示される | デジタル化したデータは、メール、Evernote、Facebook、Twitterに送信可能 | facebookに送ったデータ。テキストのみか、画像も一緒に送るかが選択可能 |
●画面分割ソリューションで情報漏れの心配なく利用可能
オーリッドでは10年間、大量の業務帳票をデジタルデータ化する「O-RID SOLUTION」事業を手掛けており、「画像分割ソリューション」により1枚の帳票を項目ごとに複数のエリアに細かく切り分けて多くのオペレーターに少しずつ仕事を分散配信するシステムを採用している。
オペレーターはたとえば日付の部分だけを画像とOCRデータを比較して合っていれば〇、間違っていれば×を付ける。こうした照合では、1つのパーツの照合を必ず2人行い、2人とも〇であれば合っていると判断する、といった仕組みを採用している。そこで1人または2人が×を押すと、よりスキルの高いスタッフが目視確認を行い、必要であれば修正をする。これも必ず2人でダブルチェックし照合するという。
画像を細かく切り分け、必ず複数人でチェックをした結果をつきあわせることで精度を上げると共に、細切れのテキストから情報が漏れることがない仕組みとなっている。
O-RID KYBERの仕組み。OCR処理を行い、テキスト部分の画像を細分化し、正誤を判定。OCRが解読できない部分は人間が読んでデータ化する | パソコン、携帯電話、スマートフォンでデータの正誤を判定。常勤のスタッフだけでなく空いた時間でリモートで行う在宅オペレーターもいる | デジタルデータ化を行うオペレーターのメニュー画面。最初はトレーニングコースしか選択できず、試験をパスすれば仕事が請けられる |
元画像と、OCRで判読したテキストデータを並べて正しいか判定する | 「KYBER SmartNote」の今後のスケジュール | ノベルティ定番の付箋やメモパッドと比べ、紙にも社名が入れられるほか、デジタル化後も企業ロゴなどを入れられるため、ノベルティでの引き合いがすでに来ているという |
●既存のスマートフォン向けサービス~合わせて利用可能
オーリッドはすでに、デジタルデータ化クラウドサービス「O-RID KYBER」を用いた個人向けサービスも展開しており、IPhoneおよびAndroid向けに無料アプリ「KYBER」と、名刺読み取りに特化した「KYBER BUSINESS CARD」を提供。
今回のメモ帳のデジタルデータ化でも利用する「KYBER」は、月額課金が有料と無料のプランを用意。デジタルデータ化する際にチケット購入が必要となるが、月額課金のあるプランはチケットが安く購入できる仕組みとなっている。ID登録時に10回分のチケットが無料で提供されるので、料金を払う前に無料で10回試用できる仕組みだ。
「KYBER BUSINESS CARD」は、登録ユーザーに毎月3枚のサービスチケットが無償で付与され、お試しが可能。月額料金プランはなく、デジタル化チケットは15件250円。「KYBER BUSINESS CARD」はWindows用アプリケーションがなく、データ閲覧はiPhoneとiPad、Android OS搭載スマートフォンのみとなる。名刺に特化している分要素が限定されるため、「KYBER」より安価な価格が設定されているという。
関連情報
(工藤 ひろえ)
2011/9/16 18:55
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